4/27介護給付費分科会(3)

○勝田委員 これ、言うべきかどうか迷っていたんですが、先ほど要支援を切ってもいいんだという御発言がありましたが、私は軽度のときにしっかりケアすることで重度化を防ぐ。そうすれば、お金も逆にかからないのではないか。
 そして、予防が自己責任だと。それは確かにそうかもしれません。だけれども、例えば認知症になりたくてなる人はいないわけです。だから、そういうふうに切って捨てていいのかどうか。私たちの議論の前提として、お金がないから切っていいんだということを基調にして今後積み重ねていくというのは、私は恐ろしいなと正直思います。
 そして、確かに東日本大震災について、みんなでやっていこうという考え方は、これは大切ですし、またやらなければなりません。だから、逆に介護保険は我慢しろとか医療保険の方は我慢しろというのは、私はおかしいと思います。介護保険介護保険、医療は医療としてしっかりやることこそ、逆に東日本の震災に遭われた方も含めて支援することになるのではないか。
 だから、向こうにお金がたくさんかかるから、こっちをうんと我慢しようじゃないか、今までどおりのことを言っていてはだめなんだと言いますが、今そこに住んでおられる方たち、被災された方々だって、きちんとした介護サービスを望んでおられますし、自立自助は確かに大切です。
 笑顔がとてもいいと言われましたが、それは安定したということではない。確かにみんなで助け合いは大切です。だけれども、基本的なことがあってこその助け合いだと私は考えますし、これから議論を進めていくときに、だから我慢しなさいという論法では、お金がないからということはわかります。それをどうやってやっていくのか。
 軽度を切り捨てれば、なおさらお金がかかるのではないかと私は考えておりますし、ケアの方法についても、それはプロの方がおっしゃる分には、それはそれとして聞きますけれども、私たちが地道に30数年間、みんなで支え合ってきたことまで否定されるようなケアのあり方というのはないのではないかと思います。
 以上です。
 
○池田委員 一言話させていただきます。
 まず、日常生活自立度2以上は要介護1になります。それはテキストにも書いてあります。したがって、境界線が要支援に入っているかどうかということなんです。境界線に対するケアの仕方と、要介護1、つまり認知症自立度2以上は違います。そこのところをエビデンスでちゃんと説明してください。
 もう一つ、被災している要介護高齢者が大変だから、そこにお金を渡さなければいけないんです。どこから出てくるんですか。自分たちが欲しいお金は取っておいて、そっちへ回さないという議論は成立しないということです。
 それと、医療保険のことをおっしゃいましたが、医療保険は3割自己負担です。私、外来に行くと20万円以上取られます。介護保険は1割自己負担ですよ。しかも高額介護サービスだって、1万5,000円以上払わなくていいという制度があります。はっきり言ってうそですよ。お金がないから使えないなんて、うそです。日本の低所得者施策というのは、物すごくよくできています。払いたくないだけですよ。そういうものに私はこの議論を誘導させてはいけない。
 要支援のレベルというのは、基本的に自己責任の問題です。自己責任のない方に介護予防を押し付けたって、やってくれないことは、特定高齢者でわかったはずです。そこを見直せと僕は言っているので、残念ながら勝田さんの意見とは全く違います。
 
○武久委員 かんかんがくがくとやる前に、一般的に考えまして、予防というのは池田先生がおっしゃるように自己責任の部分がありますけれども、介護保険の場合は保険者というのがありまして介護保険特別会計というものがありますので、各保険者が介護予防を進めることによって介護保険特別会計をマイナスにしない要素になるということですから、保険者の関与を非常に強くするべきではないかと私は思います。
 例えば医療であれば市民健診というのがあります。これは予防ですけれども、市の方がお金を使って健診をしておりますし、介護保険だけが予防を全部、要支援1、要支援2をカバーしなければいけないということはないと、私も思いますし、その辺のところは、この間の改正案でも、要支援1のところは市町村の保険者が対応するという文言もありましたから、行く行くはそういう方向に行くのではないかと思います。
 先ほどの議論でも、やはり全部のケアプランをヘルパーで覆い尽くしているような例がございまして、その人たちがそれでよくなったかというと、いろいろなデータがありますけれども、余り過保護になると子どもが十分うまくいかないのと同じではないと思いますけれども、ある程度の自助をもう少し意識を高めるという工夫もしないと、この介護保険財政というか、介護保険そのものが将来崩壊するような可能性もあって、重度介護者を手厚くしようと思えば、予防については市町村の保険者がある程度、市町村によって対応するということがいいんじゃないかと私は思います。
 
○三上委員 財源の話もあるんですけれども、先ほどから予防をどうするかとか、補足給付を介護保険で払うのはどうかという話ですが、基本的には保険という制度自体は、事故があって、それに対して保険給付するものだと考えておりますので、予防は必要だけれども、介護保険でやるのはおかしいんじゃないかという議論は、当然成り立つものだと私は思います。
 ですから、予防につきましては、介護予防等についても、先ほどあったように、保険者、要は自治体が責任を持っていろいろな事業をやる。保険者の責任でやっていくことはいいですけれども、保険で給付することについては非常に問題がある。この話をすると、健康保険というか、診療報酬の方にもはね返ってくる可能性があるんですが、特定検診等も当然関わってくる話なので、両方あわせて議論しないと整合性がとれなくなってくると思います。
 先ほどあったように、この介護保険の財源を心配するということであれば、私はまず補足給付を最初に議論して、これを介護保険から外すということで、3,000億円近い財源をそこで捻出しておくことは非常に有効じゃないかと思いますので、是非やっていただきたいと思っています。