ロシアはストーカー殺人に似ている

「女性の方も悪かった」などと自分を正当化する供述、謝罪の言葉なく 逮捕の寺内進容疑者 元交際相手・川野美樹さん殺害の疑い 福岡・博多区
TBS NEWS DIG Powered by JNN 1/23(月) 12:13配信

福岡市のJR博多駅前で起きたストーカー殺人事件で、逮捕された男が「女性の方も悪かった」などと供述していることが新たにわかりました。

この事件は今月16日、福岡市のJR博多駅前の路上で、元交際相手の会社員・川野美樹さん(当時38)を刃物で刺して殺害したとして、飲食店従業員の寺内進容疑者(31)が逮捕されたものです。

警察は去年11月、寺内容疑者に対し、ストーカー規制法に基づく禁止命令を出していました。

取り調べに対し、寺内容疑者が「女性の方も悪かった」などと自分を正当化する供述をしていることが捜査関係者の取材で新たにわかりました。

これまでに寺内容疑者が謝罪の言葉を述べることはなく、殺害の動機については、「復縁を求めたが、かなわずに刺した」という趣旨の供述をしているということです。

警察が川野さんを殺害するに至ったいきさつなどについて調べを進めています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/daf5e31e86289b799a30d86ac05129b939e547e4

 


>「女性の方も悪かった」

刺した時点で、それまでのいきさつに関係なく、刺した方が一方的に悪いに決まっているでしょうが。
(いや、それ以前に、警察から警告や命令が出た時点で、容疑者側の方が悪いという推定は可能ですが。)

で、「相手も悪い」という意味のセリフを聞いて、何か似たような発言があったような気がしました。

 

ああ、これか。
ウクライナも悪い」などと発言したというヘリコプター会社の(ウクライナ女性の)上司。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2022/09/14/212256

 

日本維新の会参議院議員である鈴木宗男氏も「ウクライナにも悪いところがある」とか「ウクライナの方が悪い」というニュアンスのような発言があったように思います。

 

そういえば、プーチン氏のウクライナ執着は、こういうストーカー殺人の犯人と似ていませんか?
「大ロシア帝国」(あるいは「偉大なソビエト連邦」)とでもいうような誇大妄想にとらわれたのか。


ロシアが西側から攻められるというような被害妄想的要素もあるかもしれませんが、フィンランドなど、かつて国土を奪われた国々も、失地を取り戻そうなどとは思っておらず、その他の諸国(日本を含めて)も、少なくとも軍事的手段でロシア領を奪おうとする意図はないでしょう。ただ一国、沿海州を奪われた中国を除いて。この国だけは、ロシアが弱いと見たら何をするかはわかりません。

 

さて、鈴木宗男氏の13日付けのブログより。

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 松野官房長官は午前の記者会見で、北方四島周辺海域でのいわゆる「安全操業」についてロシアが政府間交渉に応じない方針を日本側に19日「現時点で調整することはできない」と通知してきたことについて「20年以上の長きにわたり、操業を互恵的な形で維持、発展させてきた経緯がある中で、受け入れられない」と述べている。
 松野官房長官の頭づくりはどうなっているのか。(略)
ところが岸田総理のフランス、イタリア、イギリス、カナダ、米国歴訪で、ロシアへの批判、非難ばかりの発信で、これではロシアは「日本とは付き合え切れない」という思いに至ったのだ。松野長官の政治家としての見識を疑う次第だ。
 「安全操業」がどうしてできたのか、誰が提案したのか歴史の事実を知っているのか、十分わかっていないのではないか。この安全操業は鈴木宗男が提案し、実現に持って行った事業である。
(略)しっかり事実関係を頭に入れ、日本がお願いする側であることを踏まえ、どうしたら交渉に入れるか冷静に考えるべきではないか。なんとも情けない国益を損なう流れを憂うれうるものだ。
 ロシアは安全操業について交渉しなくても何も問題はない。日本は魚がないと仕事が出来なくなり、地域がなくなるのである。(以下略)
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まず、安全操業についてですが、ロシア側の好意で成り立っているのではなく、相当の額の協力金が日本から支払われています。
メリットがなければロシアも応じていないでしょう。

また、日本側にも当然、言い分はあり、本来は日本の領海やEEZであるべき海域です。
金を払うのも、北方領土問題が未解決だからのやむを得ない対応です。
そして、この件について(協力金が滞るとかの)日本に問題行為はない。
だから、ロシア側に言い分はあったとしても、それが(少なくとも全面的に)正しいとはいえない。
ゆえに、日本政府の内閣官房長官として、松野氏があのような主張をすることは、妥当適切でしょう。

一方、鈴木宗男氏のような主張は、たとえばロシア外務省とか駐日ロシア大使館がするのなら、まだわかります。
ですが、日本の国会議員である鈴木氏が行うのは、あえて分類すれば、いわゆる利敵行為といわれても仕方がありません。
「ほら、あんたの国の議員も日本が悪いって言ってるよ」とロシア側に利用されるおそれもある。

外交とは、特に利害が対立している場合、相手の主張、考え方に立つだけでは、先方に押し切られる危険性が高い。
「あんたの主張は△△だが、こっちの主張は○○だ」とぶつけたうえで、妥協ができるかどうかを探る(水面下を含めて)というのが、その場合のスタンダード。
最初から「どうすれば許してもらえますか?」などと重要閣僚が公式発言するわけないでしょう。
鈴木宗男氏は外交感覚がないのか、それともロシアの代理人としての発言なのか、表にはできない事情があるのか、私にはわかりません。