やはり原発は高いですよね?

「核ごみ」調査に北海道2町村 最大交付20億円
FNNプライムオンライン 10/9(金) 13:06配信

原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる「核のごみ」の最終処分場をめぐり、北海道・寿都(すっつ)町が選定の第1段階となる「文献調査」に応募し、選定のプロセスが動き出すことになった。

寿都町の片岡町長は、NUMO(原子力発電環境整備機構)を訪れ、文献調査に正式に応募した。

文献調査は、地域のくわしい資料で活断層の有無などを調べるもので、応募は2007年の高知・東洋町以来、13年ぶりとなる。

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一方、北海道・神恵内(かもえない)村には、9日午後、経産省の幹部が訪問し、文献調査を申し入れる予定で、村は、これを受け入れる形で応募を決める見通し。

選定プロセスでは、「文献調査」の実施で、自治体が、最大20億円の交付金を受けられる。

2段階目の「概要調査」に進む際には知事の同意が必要だが、北海道の鈴木知事は、道内への受け入れに反対している。

長年停滞してきた選定プロセスが最終的な決定に至るかどうか、不透明な情勢。
最終更新:10/9(金) 14:39
https://news.yahoo.co.jp/articles/5861be190ecc0b4696d64cc1beed277c701c5799

 

 

財政の厳しい中、北海道の2自治体が「核ごみ」処分場の文献調査に手を挙げたことについては、私が論評する話ではなく、その議会や住民等でご判断いただくことだろうと思います。

また、それに対して、北海道知事が(近隣自治体等の意見も勘案したりして)反対なり別の見解を述べたりすることも、またあり得ることだろうと思います。

 

気になるのは、この最初の文献調査の段階で、最大20億円の交付金が出るということ。

「最大」だから、いろいろ要件を満たさないと満額にはならないのかもしれませんが、今の時点で北海道内だけで40億円レベルの国庫負担が生じる可能性があるということですね。

こういうの、経済産業省は、原子力発電のコストに入れて計算していますか?

 

もともと、経産省関係のコスト計算には疑わしいところがあるのですが、

 

<参考>
まだ「原発が安い」って言ってる人々
https://jukeizukoubou.blog.fc2.com/blog-entry-1876.html


「長期エネルギー需給見通し小委員会に対する発電コスト等の検証に関する報告」
(平成27年 5月発電コスト検証ワーキンググループ)
https://www.enecho.meti.go.jp/committee/council/basic_policy_subcommittee/mitoshi/cost_wg/pdf/cost_wg_01.pdf

 

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この資料の「政策経費」は「2014年度予算ベース」で計算しているから含まれていないはずですし、「核燃料サイクル費用」の「バックエンド処理」(高レベル廃棄物)にも含まれていないことが濃厚です。

 

この文献調査の次に「概要調査」もあって、こちらは最大70億円ということですが、こういう費用まで入れると、ますます原子力発電のコストは高くなるはずと思いますが。

 

まあ、すでに核廃棄物がある以上、何らかの方法で処分しなければならないことはたしかなのですが、「原子力発電が安い」というようなセリフは、経産省も電力会社も、もうやめにしませんか。