「オンライン面会もない」のが普通ではない

けさ(10月10日)、NHKの7時台だったと思いますが、
「コロナ禍での面会制限 家族の絆は…」
という特集みたいなものの放送がありました。

 

介護施設新型コロナウイルス感染防止のため、入所者と家族との面会は禁止、オンライン面会もやっていない、とのことで、入所者(男性)の妻が自宅の猫の写真などを持って施設に行き、施設の職員も入所者の様子を妻に伝える、という内容のようでした。

 

猫は入所者にかわいがられていたようで、猫とお年寄りは一般的には相性が良いだろうとは思います。
子どもと違ってお年寄りは動作が緩やかだし(猫を驚かすような急な動きが少ない)、
尻尾をつかんだりヒゲを引っ張ったりもしないし、
大声を出さないし(これは例外あり)。

 

それはともかく・・・

 

オンライン面会もやってない、って何ですか?
国が面会制限を呼びかけてから何か月が経っていると思っているのですか?(※注)

 

それから、入所者の妻と施設の職員とが、施設内のホールのような場所で立ち話している映像も流れましたが、二人ともマスクはしていたものの、2メートル程度の距離で、間にアクリル板を立てているようには見えませんでした。

 

いや、一般的には、こういう短時間の会話なら濃厚接触には当たらないということになりますし、問題があるとはいえませんが、こういう施設職員を介した間接接触を行うぐらいなら、もう少し距離を空けるとか屋外で行うなど対策を取ったうえで入所者に直接会ってもらう方がよいように思うのですが。

「面会を禁止している」ということだけにこだわっていて、感染防止と面会実施との合理的両立を図るというような姿勢が全く見えない施設のように思ってしまいました。

 

NHKの姿勢(取材対象の選定等)にも疑問を感じないわけではありませんが、あの放送をご覧になった方々が、オンライン面会すら実施していない施設が普通だ、と思われることがないように願っています。

 


※注:参考事務連絡から一部抜粋。なお、< >内は私のコメントです。

 また、この当時よりは、新型コロナウイルスについてわかってることが増えていることにも留意した方がよいと思います(たとえば「3密」は3月以降に周知された)。


介護保険最新情報Vol.768(R2.2.24)
社会福祉施設等(入所施設・居住系サービスに限る。)における感染拡大防止のための留意点について」
 面会については、感染経路の遮断という観点で言えば、可能な限り、緊急やむを得ない場合を除き、制限することが望ましい。少なくとも、面会者に対して、体温を計測してもらい、発熱が認められる場合には面会を断ること。
<「禁止」ではなく、「制限することが望ましい」であり、「緊急やむを得ない場合」は除外されていることにも留意。>

介護保険最新情報Vol.834(R2.5.15)
 高齢者施設等におかれては、新型コロナウイルスの感染経路の遮断という観点から、緊急やむを得ない場合を除き、面会の制限をいただいているところですが、こうした事態下においては、利用者の方とそのご家族等との間で、ご家庭にいながらオンライン面会(テレビ電話システムや Web アプリのビデオ通話機能等のインターネットを利用する面会)を行っていただくことが望ましいです。
<LINE、Zoom、Skypeをそれぞれ利用してオンライン面会を実施している施設の紹介あり。>