児相の当直は直営の方がよいのでは?

午前3時にSOSの女児追い返した児童相談所、市に報告せず 対応のNPO謝罪「子どもに不安な思いさせた」
神戸新聞NEXT 2/19(水) 12:15配信)

 神戸市中央区の市こども家庭センター(児童相談所)で、真夜中に小学6年の女児が当直業務を請け負うNPO法人の男性職員に追い返されていた問題で、センターの職員が市こども家庭局に報告していなかったことが19日、分かった。センターは「不適切な事案が発生した場合は本庁に報告することになっているが、報告を怠ってしまった。認識が甘かった」としている。

 センターなどによると女児は10日午前3時すぎ、同区東川崎町1のセンターを訪れ、夜間窓口のインターホン越しに、「家庭でもめ事があり、家を追い出された」と申告。しかし、男性職員はインターホンの画面だけ見て、「警察に相談しなさい」と追い返した。女児は約30分後、約300メートル離れた生田署管内の交番を訪れて保護された。

 男性職員はマニュアルに定められたセンター係長への報告を行っておらず、係長は同日朝、同署からの連絡で初めて知ったという。センターは同日中に男性職員に聞き取りを行ったが、所管する市こども家庭局には報告しなかった。市が問題を把握したのは、報道機関の問い合わせを受けた18日午後だった。

 市が夜間・休日の対応を委託しているNPO法人「社会還元センターグループわ」(同市北区)は、シルバーカレッジの卒業生らで結成。男性職員は5年ほど前からセンターでの業務に従事する。同法人の大槻隆文理事長(72)は19日午前、「子どもに不安な思いをさせて申し訳ない」と謝罪した。

 神戸市は、阪神・淡路大震災後の行財政改革の一環で、2005年度からセンターの当直業務に民間委託を導入。このNPO法人が一貫して請け負ってきた。

 市家庭支援課は「現状の体制では、(委託職員に)マニュアルに沿った対応をしてもらうしかない。委託先が適切かどうかも含めて検討したい」としている。(伊田雄馬、石沢菜々子
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200219-00000009-kobenext-soci

 


大事なことなので、全文紹介させていただきました。
児童虐待と児相の問題については社会的関心が高く、神戸新聞社としても力を入れての取材だったと思います。記者の署名記事として引用しているので、ご容赦くださいね。)

他のメディアや、著名人のコメント記事などでは、児相職員が追い返したと誤認されるような書き方のところもありますが、女児を追い返したのは夜間・休日の当直業務を受託していたNPO法人の職員です。
もちろん、そんなところに委託していた市の責任は免れませんが、今後こういう案件が起きないようにするための方法を考えるうえでは、児相職員がやったのか委託先の職員がやったのかでは大きな違いがあります。

で、普通(というか、私自身の感覚)は、児童相談所の職員、たとえば児童福祉司が対応したとしたら今回のような事件は起きるわけがありません。
かといって、昼間の激務で精いっぱいの児童福祉司などに当直業務も、というのは(神戸市でなくても)無理。
というところで、民間委託、という流れもわかります(神戸市の場合には震災後の財政再建という負の遺産も影響しているようですが)。

ですが、NPO法人への委託は、この際、見直した方がよいのではないでしょうか?
このNPO法人だからダメとか、NPO法人一般がダメ、とかいう意味ではなく、こういうお子さんの命に直接かかわるような業務は、やはり児童相談所の設置者が責任持てるような形でなければ。
つまり、現役の正規職員でなくてもよいから、非正規職員(たとえば再任用とかOBとか経験者の活用とか)であっても、市の直接指揮下にあるスタッフによって担当すべきではないかと思います。
研修やら(万一の事態の)懲戒処分も直接できるスタッフで行わないと、担保できないのではないでしょうか。

まあ、「委託先が適切かどうかも含めて検討したい」とのことですから、見守りたいとは思いますが。