介護保険外サービスとの組合せ4

第六 区分支給限度額を超過している利用者に対し、超過分のサービスを提供する場合について

1.これまでの取扱い
 指定居宅サービス等基準第20条第2項等において、法定代理受領サービスに該当しない指定サービスを提供した際にその利用者から支払を受ける利用料の額と、指定サービスに係る居宅介護サービス費用基準額との間に、不合理な差額が生じないようにしなければならないこととしている。介護保険制度は、高齢者が尊厳を保持し、その有する能力に応じた日常生活を営むことができるよう、必要なサービスを提供することを目的とするものであり、介護支援専門員は、区分支給限度額を超過する居宅サービス計画を作成しようとする場合には、利用者の心身の状況や置かれている環境等に応じた適切なサービスであるかどうか、アセスメント等を通じ十分に検討しなければならない。

2.区分支給限度額を超過している利用者に対し、超過分のサービスを提供する場合の取扱い
 区分支給限度額を超えてなお介護保険サービスと同等のサービスを提供する場合、その価格については、サービス内容が介護保険サービスと同等であることを踏まえ、介護保険サービスにおいて事業者に支払われる費用額と同水準とすることが望ましい。ただし、利用者等に対し、介護保険サービスと保険外サービスの違いを文書によって丁寧に説明し、同意を得ることにより、介護保険サービスにおいて事業者に支払われる費用額とは別の価格設定が可能である。

第七 保険外サービスを提供する場合の個人情報の取扱いについて
 保険外サービスの提供にあたり取得した個人情報の取扱いについては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び「医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス」(平成29年4月14日個情第534号・医政発0414第6号・薬生発0414第1号・老発0414第1号個人情報保護委員会事務局長、厚生労働省医政局長、医薬・生活衛生局長及び老健局長連名通知別紙。以下「ガイダンス」という。)を遵守すること。
 なお、介護保険サービスの提供にあたり利用者から取得した個人情報を、保険外サービスの提供に利用するには、取得に際しあらかじめ、その利用目的を公表する等の措置を講ずる必要があることに留意されたい。



平成30年9月28日付け事務連絡 
地方運輸局自動車交通部長/沖縄総合事務局運輸部長あて 自動車局旅客課長通知

通所介護等に係る送迎に関する道路運送法上の取扱いについて

 規制改革実施計画(平成29年6月9日閣議決定)において、介護保険サービスと保険外サービスの柔軟な組合せが適切に行われるようにするため、「通所介護における、介護保険サービスと保険外サービスの柔軟な組合せに係るルールの整備」等について、地方自治体や介護事業者にとって分かりやすくなるよう、厚生労働省において、一覧性や明確性を持たせた通知を発出し、周知を図ることとされており、また、国土交通省において、「事業所への送迎の前後又は送迎と一体的な保険外サービスの提供に係る関係法令の解釈の明確化」について検討し、結論を得るとされたところである。
 このため、先般通知した「道路運送法の許可又は登録を要しない運送の態様について」(平成30年3月30日付け国自旅第338号)1.(4)【具体例[2]】について、以下のとおり取扱いを明確化するので、その旨了知するとともに、自治体及び通所介護事業所等からの相談等に対し適切に対応されたい。
 なお、厚生労働省老健局より「介護保険サービスと保険外サービスを組み合わせて提供する場合の取扱いについて」(平成30年9月28日付け、老推発0928第1号、老高発0928第1号、老振発0928第1号、老老発0928第1号)(別添)が発出されているので、併せて参照されたい。


1.通所介護事業者等が、通所介護等の利用を目的とする送迎に併せて、利用者からの依頼に応じてスーパーや病院における支援(以下「買物等支援」という。)を保険外サービスとして行う場合は、以下[1]及び[2]に該当することにより、買物等支援の利用者負担に運送の対価が含まれないことが明らかである場合には、道路運送法の許可又は登録を要しない。
 [1]送迎の途中で、送迎の一環として、商店等へ立ち寄る場合であること
(商店等へ立ち寄らない送迎の場合に通常選択されると考えられる一般的な経路を逸脱しない範囲で行われるもの)
 [2]以下のすべてに該当することにより、買物等支援が送迎とは独立したサービスであると認められる場合
  ・買物等支援における利用者負担は、当該支援を利用する場合のみに発生すること
  ・買物等支援を利用するか否かは、利用者が選択するものであること
  ・買物等支援の利用者負担について、移動する距離や時間等で差を設けていないこと
2.上記を踏まえ、事例ごとに整理すると、以下のとおりである。
(1)送迎の途中で買物等支援を行わない場合(以下「通常の送迎」という。)
 [1]介護報酬とは別に送迎の対価を得ている場合
  ・送迎が独立した1つの事業とみなされ、許可又は登録が必要である。
 [2]介護報酬とは別に送迎の対価を得ていない場合(送迎の対価が介護報酬に包括されている場合)
  ・送迎は自己の生業と密接不可分な輸送と解され、許可又は登録を要しない。
(2)送迎の途中で買物等支援を行う場合
 [1]通常の送迎の場合に通常選択されると考えられる一般的な経路を逸脱しない場合
  ア 買物等支援を無償で行う(対価を得ていない)場合
   ・送迎は自己の生業と密接不可分な輸送と解され、許可又は登録を要しない。
  イ 買物等支援の対価を得ている場合
   a)買物等支援が送迎とは独立しており、送迎の対価を得ていない場合(上記1.[2]に該当する場合)
   ・送迎は自己の生業と密接不可分な輸送と解され、許可又は登録を要しない。
   b)買物等支援が送迎とは独立しているとは言えない場合(上記1.[2]に該当しない場合)
   ・介護報酬とは別に送迎の対価を得ているとみなされ、許可又は登録が必要である。
 [2]通常の送迎の場合に通常選択されると考えられる一般的な経路を逸脱する場合
  ・送迎が独立した1つの事業とみなされ、許可又は登録が必要である。
(3)通所介護等を提供中の利用者に対し、外出支援のサービスを提供する場合
 [1]機能訓練の一環として通所介護計画に位置づけられた外出支援の場合
  ・自己の生業と密接不可分な輸送と解され、許可又は登録を要しない。
 [2]利用者個人の希望により、保険外サービスとして、個別に通所介護事業所からの外出を支援する場合
  ア 保険外サービスを無償で行う場合
   ・送迎は無償による運送と解され、許可又は登録を要しない。
  イ 保険外サービスの対価を得ている場合
   ・送迎が独立した1つの事業とみなされ、許可又は登録が必要である。

介護保険最新情報Vol.678 ここまで)