ワクチン接種を介護保険で支援2

問4 通所系サービス事業所が、サービス提供中に、その保有する車両を利用して、事業所から新型コロナウイルスワクチンの接種会場まで利用者の送迎を行う場合、介護報酬等の取扱い等はどのようになるか。
(答)
 通所系サービス事業所が、サービス提供中に、その保有する車両を利用して、通所系サービス事業所と接種会場間の送迎を行う場合、従来の取扱いのとおり、保険外サービスとして提供されているものとする。この場合、保険外サービス通知に則った対応が必要となるが、特例的に、介護支援専門員が居宅サービス計画において当該保険外サービスに関する情報を記載することは不要である。
 一部の職員が当該送迎の業務に従事する際の事業所内の人員配置基準については、今般の新型コロナウイルスワクチン接種の緊急性及び公益性の高さに鑑み、「新型コロナウイルス感染症に係る介護サービス事業所の人員基準等の臨時的な取扱いについて」(令和2年2月17日付厚生労働省老健局総務課認知症施策推進室ほか連名事務連絡)等に基づき、柔軟に対応して差し支えない。
 なお、当該送迎について利用者から対価を得ていない場合(当該送迎について利用者から対価を得ていないが、新型コロナウイルスワクチン接種の実施主体である市町村より送迎の委託を受け、新型コロナウイルスワクチン接種体制確保事業費国庫補助金を財源とする委託費を受領している場合も含む。)については、道路運送法に基づく許可・登録は不要である。
 上記の内容については、国土交通省自動車局と協議済みであることを申し添える。

 

問5 通所系サービス事業所がその保有する車両を利用して、サービス提供前後の送迎中に、新型コロナウイルスワクチンの接種会場を経由して利用者の送迎を行う場合、介護報酬等の取扱い等はどのようになるか。
(答)
 例えば
・利用者の居宅から、接種会場を経由して、通所系サービス事業所への送迎を行う場合
・通所系サービス事業所から、接種会場を経由して、利用者の居宅への送迎を行う場合
については、利用者の居宅と通所系サービス事業所間の送迎を行っていることから、その費用について、介護報酬を算定することとして差し支えない(送迎減算を適用しないこととして差し支えない)。
 また、この場合について、送迎に時間を要することになり、一時的に事業所内の人員配置基準を満たせない時間帯が生じることも考えられるが、この場合も問4と同様に柔軟に対応して差し支えない。
 なお、この場合について、当該会場に立ち寄らない送迎の場合に通常選択されると考えられる一般的な経路を逸脱する場合であっても、道路運送法に基づく許可・登録は不要である。
 上記の内容については、国土交通省自動車局と協議済みであることを申し添える。

 

問6 新型コロナウイルスワクチン接種を医療機関以外の接種会場(例えば、体育館や福祉センター等)で行う場合でも、居宅要介護者が接種会場まで移動する手段として、訪問介護を利用することが可能か。
(答)
訪問介護
[1] 訪問介護事業所の訪問介護員等が自ら運転する車両を活用する場合
 訪問介護の通院等乗降介助が利用可能である。
 なお、現行の取扱いのとおり、以下の場合に限り、身体介護が利用可能である。
・接種会場に外出するために乗車・降車の介助を行うことの前後に連続して相当の所要時間(20分から30分程度以上)を要し、かつ、手間のかかる外出に直接関連する身体介護(移動・移乗介助、身体整容・更衣介助、排泄介助等)を行う場合(要介護4又は5の居宅要介護者の場合)
又は
・接種会場への外出に直接関連しない身体介護(入浴介助・食事介助等)に30分から1時間程度以上を要し、かつ、当該身体介護が中心である場合(要介護1から5までの居宅要介護者の場合)
には、身体介護(運転時間を控除した所要時間に応じた介護報酬)を算定できる。

[2] 公共交通機関を活用する場合
 訪問介護の身体介護のうち通院・外出介助が利用可能である(訪問介護事業所の訪問介護員等が、居宅要介護者に付き添い、バスやタクシー等の公共交通機関を利用して移送中の気分の確認も含めたワクチン接種が行われる会場への外出介助を行った場合には、身体介護(所要時間に応じた介護報酬)を算定できる)。

 また、これらを利用する場合には、居宅サービス計画(標準様式第2表、第3表、第5表等)に係るサービス内容の記載の見直しが必要となるが、これらについては、サービス提供後に行っても差し支えない。
 なお、同意については、最終的には文書による必要があるが、サービス提供前に説明を行い、同意を得ていれば、文書はサービス提供後に得ることでよい。

※参考
<(介護予防)小規模多機能型居宅介護及び看護小規模多機能型居宅介護>
 小規模多機能型居宅介護の訪問サービスには、いわゆる訪問介護の身体介護のうち通院・外出介助が含まれているため、小規模多機能型居宅介護事業所が居宅要介護(支援)者に対して接種会場への外出介助を行うことができる。
<定期巡回・随時対応型訪問介護看護と訪問介護(通院等乗降介助)の関係>
 定期巡回・随時対応型訪問介護看護は、併せて訪問介護の通院等乗降介助を利用することができる。そのため、訪問介護事業所の訪問介護員等は自ら運転する車両を活用して、定期巡回・随時対応型訪問介護看護を利用する居宅要介護者に対して接種会場への移送に係る介助を行うことができる。

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「通院等乗降介助が利用可能」ということなので、道路運送法上の何の手続きも行わずに(白タクとして)ヘルパーが運転して要介護者を輸送する、ということは認めていない、ということですね。

一方、前記事の通所系サービスの送迎の場合は、もともと白タク扱いとはならない(自家用輸送として可能)ということかと。