頻回な生活援助?(5)

しつこく、介護給付費分科会資料の「訪問回数の多い利用者への対応(自治体調査結果)」から。
(残りは今回を入れて2回ほどの予定なので、ご容赦ください。)

「サービス内容(生活援助中心型)」の欄の赤い下線部は「身体介護で算定すべきではないか」と思われるものですが、今回の3件はそれほど多くありません。
ただし、ツッコミどころはあります。

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1番上の方は、要介護5で認知症なし、ガイドヘルパーの登録あり、ということは、身体障害者(手帳所持者)の可能性があります。「医療保険訪問看護」ですから、難病(特定疾患)かもしれません。
障害者施策でのサービス利用(重度訪問介護など)が適当かもしれません。
「家族も要介護状態」ということですから、生活援助はその家族のケアプランにも位置づけ、前の記事にもあったように「要介護者間で適宜所要時間を振り分けることとする」(平成12年老企第36号)ことが考えられます。

2番目の方、「ベッド上の生活」というのが入退院を繰り返していた時期のことなのか現在も続いているのかわかりませんが、現在も続いているのなら「身体介護」がないというのが疑問です。
主介護者であった家族が老健入所ということは、現在は独居と書くのが正しいのではないかと思いますが、それはそれとして、仮に老健からその家族が退所してきたとしても(おそらくは)要介護者でしょうから、その後は、やはり生活援助を「要介護者間で適宜所要時間を振り分けることとする」ことが考えられます。

1番下の方は要介護1で限度額超過「有」となっています。「同居家族がいるが・・・要介護2の認定を受け」ということなので、「要介護・高齢夫婦世帯の在宅生活を安定させるために生活支援が必要」なら、その要介護2の家族のケアプランにも生活援助を位置付けるのは当然だと思います。
なお、「受診介助」は「身体介護」(通院等乗降介助の場合もありますが)でしょう。


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この3人は、認知症日常生活自立度が全て認定調査結果で書かれています。主治医意見書の記載でないのはなぜなのでしょうか?

さて、1番上の方、「就寝介助」というのは多少中身がはっきりしない面もありますが、オムツ交換、排泄介助、清拭、通院介助は「身体介護」で算定すべきでしょうし、「食事の見守り」のように状況によっては身体介護となる可能性があるサービスもあります。

2番目の方も、食事介助は身体介護でしょう? また、要介護5で「家族からの支援がなく」というのは「8時から20時まで仕事」でやむを得ないのかもしれませんが、この状態で「家族が施設入所を頑なに拒否している」ということを併せて考えると、虐待(ネグレクト)も視野に入ってくるように思います。これで地域ケア会議「無」というのは疑問があります。

1番下の方も、食事介助は身体介護でしょうし、「尿器の処理、見守り」というあたりも身体介護となる可能性があります。

(たぶん、あと少しだけ続きます。)