福岡ALS患者の審査請求の結果

以前、2014年2月に「ALS患者、福岡市対応に審査請求」という記事を書きました。
https://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/32832291.html

その結果がどうなっているか調べたところ、弁護団関係の事務所サイトに行き着きました。


福岡県は患者側の主張を認め、福岡市の処分を取り消す裁決を下していたとのことす。
その裁決の内容について、何か客観的な情報がないか探したのですが、
福岡県サイトでもマスメディア関係でも見つからなかったので、
「きょうされん熊本支部」のブログに掲載されていた西日本新聞の記事を転載させていただきます。
http://blog.canpan.info/kyousaren-kmt/archive/335


ALS介助併用認める 患者訴え 福岡市処分取り消し 県裁決

西日本新聞 2015年03月25日)
 全身の筋肉が衰える筋萎縮性側索硬化症(ALS)の福岡市の男性が、介護保険制度に加え障害者総合支援法に基づくサービスを併せて受けようとした申請を、市が却下したのは「不当かつ違法」として、福岡県に行った行政不服審査請求について、県が男性の主張をほぼ認め、市の処分を取り消す裁決を下していたことが分かった。男性の代理人弁護士が20日、記者会見で明らかにした。
 裁決は法的拘束力があり、市は男性が自己負担した介助費用などを返還する方針。市障がい者在宅支援課は「裁定を重く受け止める」としている。
 審査請求したのは、元病院職員の池田和生さん(62)。2月19日付の裁決書は、市の判断を「不当」として処分を取り消した。
 代理人によると、池田さんは2013年3月の申請時、要介護4と認定され、電動車いすでの移動やパソコンのマウス操作など一部の動作を除き、日常生活のほぼ全般に介助が必要な状態だった。
 市は月75時間の介護保険サービスを認めていたが、障害福祉サービスを上乗せする併給は「支援が不足するのであれば、少なくとも要介護5認定を受けているはずだ」などとして認めなかった。このため池田さんは、病状が進んで要介護5と認定された14年8月までの間、月15万~25万円を自己負担してヘルパーを雇っていたという。
 代理人の星野圭弁護士は「併給を認めるかの判断は自治体に委ねられており、対応はまちまち。県の裁決は重く、他の自治体も尊重すべきだ」と話した。

なお、太字に加工したのは私です。

「支援が不足するのであれば、少なくとも要介護5認定を受けているはずだ」

これは、介護保険障害福祉サービスとでは認定の仕組みが異なるので、
一番上のリンク先の記事に書いたように、明らかな間違いです。

市は男性が自己負担した介助費用などを返還する方針。
障がい者在宅支援課は「裁定を重く受け止める」としている。

ということなので、これ以上長引かずに解決してよかったと思います。

さすがに「上乗せは要介護5でも足りない場合に限る」という自治体は減ってきたとは思いますが、
もし万一、以前の福岡市のような対応をしている自治体があったとしたら、早急に改めることを強くお勧めします。