給料(賃金)の支払方法

今回は、給料(賃金)の支払方法について(謎)

労働基準法第24条関係です。


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(賃金の支払)
第二十四条 賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

2 賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。


労働基準法施行規則

第七条の二 使用者は、労働者の同意を得た場合には、賃金の支払について次の方法によることができる。
 一 当該労働者が指定する銀行その他の金融機関に対する当該労働者の預金又は貯金への振込み
 二 当該労働者が指定する金融商品取引業者(金融商品取引法(昭和二十三年法律第二十五号。以下「金商法」という。)第二条第九項に規定する金融商品取引業者(金商法第二十八条第一項に規定する第一種金融商品取引業を行う者に限り、金商法第二十九条の四の二第九項に規定する第一種少額電子募集取扱業者を除く。)をいう。以下この号において同じ。)に対する当該労働者の預り金(次の要件を満たすものに限る。)への払込み
  イ 当該預り金により投資信託及び投資法人に関する法律(昭和二十六年法律第百九十八号)第二条第四項の証券投資信託(以下この号において「証券投資信託」という。)の受益証券以外のものを購入しないこと。
  ロ 当該預り金により購入する受益証券に係る投資信託及び投資法人に関する法律第四条第一項の投資信託約款に次の事項が記載されていること。
  (1)信託財産の運用の対象は、次に掲げる有価証券((2)において「有価証券」という。)、預金、手形、指定金銭信託及びコールローンに限られること。
   (i)金商法第二条第一項第一号に掲げる有価証券
   (ii)金商法第二条第一項第二号に掲げる有価証券
   (iii)金商法第二条第一項第三号に掲げる有価証券
   (iv)金商法第二条第一項第四号に掲げる有価証券(資産流動化計画に新優先出資の引受権のみを譲渡することができる旨の定めがない場合における新優先出資引受権付特定社債券を除く。)
   (v)金商法第二条第一項第五号に掲げる有価証券(新株予約権社債券を除く。)
   (vi)金商法第二条第一項第十四号に規定する有価証券(銀行、協同組織金融機関の優先出資に関する法律(平成五年法律第四十四号)第二条第一項に規定する協同組織金融機関及び金融商品取引法施行令(昭和四十年政令第三百二十一号)第一条の九各号に掲げる金融機関又は信託会社の貸付債権を信託する信託(当該信託に係る契約の際における受益者が委託者であるものに限る。)又は指定金銭信託に係るものに限る。)
   (vii)金商法第二条第一項第十五号に掲げる有価証券
   (viii)金商法第二条第一項第十七号に掲げる有価証券((i)から(vii)までに掲げる証券又は証書の性質を有するものに限る。)
   (ix)金商法第二条第一項第十八号に掲げる有価証券
   (x)金商法第二条第一項第二十一号に掲げる有価証券
   (xi)金商法第二条第二項の規定により有価証券とみなされる権利((i)から(ix)までに掲げる有価証券に表示されるべき権利に限る。)
   (xii)銀行、協同組織金融機関の優先出資に関する法律第二条第一項に規定する協同組織金融機関及び金融商品取引法施行令第一条の九各号に掲げる金融機関又は信託会社の貸付債権を信託する信託(当該信託に係る契約の際における受益者が委託者であるものに限る。)の受益権
   (xiii)外国の者に対する権利で(xii)に掲げるものの性質を有するもの
  (2)信託財産の運用の対象となる有価証券、預金、手形、指定金銭信託及びコールローン((3)及び(4)において「有価証券等」という。)は、償還又は満期までの期間((3)において「残存期間」という。)が一年を超えないものであること。
  (3)信託財産に組み入れる有価証券等の平均残存期間(一の有価証券等の残存期間に当該有価証券等の組入れ額を乗じて得た合計額を、当該有価証券等の組入れ額の合計額で除した期間をいう。)が九十日を超えないこと。
  (4)信託財産の総額のうちに一の法人その他の団体((5)において「法人等」という。)が発行し、又は取り扱う有価証券等(国債証券、政府保証債(その元本の償還及び利息の支払について政府が保証する債券をいう。)及び返済までの期間(貸付けを行う当該証券投資信託の受託者である会社が休業している日を除く。)が五日以内のコールローン((5)において「特定コールローン」という。)を除く。)の当該信託財産の総額の計算の基礎となつた価額の占める割合が、百分の五以下であること。
  (5)信託財産の総額のうちに一の法人等が取り扱う特定コールローンの当該信託財産の総額の計算の基礎となつた価額の占める割合が、百分の二十五以下であること。
  ハ 当該預り金に係る投資約款(労働者と金融商品取引業者の間の預り金の取扱い及び受益証券の購入等に関する約款をいう。)に次の事項が記載されていること。
  (1)当該預り金への払込みが一円単位でできること。
  (2)預り金及び証券投資信託の受益権に相当する金額の払戻しが、その申出があつた日に、一円単位でできること。

2 使用者は、労働者の同意を得た場合には、退職手当の支払について前項に規定する方法によるほか、次の方法によることができる。
 一 銀行その他の金融機関によつて振り出された当該銀行その他の金融機関を支払人とする小切手を当該労働者に交付すること。
 二 銀行その他の金融機関が支払保証をした小切手を当該労働者に交付すること。
 三 郵政民営化法(平成十七年法律第九十七号)第九十四条に規定する郵便貯金銀行がその行う為替取引に関し負担する債務に係る権利を表章する証書を当該労働者に交付すること。

3 地方公務員に関して法第二十四条第一項の規定が適用される場合における前項の規定の適用については、同項第一号中「小切手」とあるのは、「小切手又は地方公共団体によつて振り出された小切手」とする。

第八条 法第二十四条第二項但書の規定による臨時に支払われる賃金、賞与に準ずるものは次に掲げるものとする。
 一 一箇月を超える期間の出勤成績によつて支給される精勤手当
 二 一箇月を超える一定期間の継続勤務に対して支給される勤続手当
 三 一箇月を超える期間にわたる事由によつて算定される奨励加給又は能率手当

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労基法と施行規則とを長々と並べましたが、基本は労基法第24条第1項の、
通貨、直接、全額払いという原則。

その例外として、労働組合など労働者の過半数の代表者との協定によって控除(親睦会の会費なども)ができたりする場合があります。

給与をいわゆる銀行振込(銀行以外の金融機関を含む)することができるという規定は、施行規則第7条第1項にあります。
第2号の金融商品関係は面倒なので置いといて、第1号。

認められているのは、
「当該労働者が指定する」金融機関口座への振込みです。
会社側、雇用者側が指定する金融機関口座ではありません。

会社のメインバンクと同じ金融機関の口座への振込なら、手数料が安かったり、無料だったりします。
また、会社の資金の借り入れに際して条件が有利になるような場合もあるでしょう。
だから、従業者に「○○銀行に給振口座を作って」とお願いすることは可能ですが、
強制することはできません。
(従業者も住宅ローンなどの借り入れに際して、給振口座をその金融機関に作ることが条件だったりすることもあります。)