屋内の行動援護

川口市、重度障害児の受給者証を更新せず 厚労省「考えられない」

埼玉新聞 8月23日(日)23時28分配信)

 川口市の民間福祉事業所で「行動援護」の支援を受けている10代の重度知的障害児3人に対し、市がサービスを受ける際に必要な受給者証を更新しないままになっていることが22日までに、関係者への取材で分かった。行動援護自傷、異食などを伴う重度障害者が日常生活を送る上で不可欠な支援。事業所は現在、受給者証の提示がなくても無償でサービスを継続している。

 行動援護は判断能力が低く行動に著しい困難を伴う障害者に対し、危険回避のため日常生活の補助、外出支援などを行うサービス。専門知識のある支援員が1対1で行動を共にするため手厚い支援が受けられる。3人の障害児は2008年から今年にかけて、市が行う福祉サービスの介護給付として行動援護を利用している。

 受給者証は市町村が発行し、毎年更新が必要。市町村は指定事業者や利用者が提出する利用計画書に基づき、必要なサービスを評価し認定する。3人の受給者証はそれぞれ今年1~5月で期限切れになっているが、その後は市から行動援護の認定を受けられず、継続発行されていない。通常ならばサービスが受けられない状態が続いている。

 3人が通う事業所や保護者によると、市は3人の行動援護を認定しない理由として(1)外出のための支援なので建物の中では利用できない(2)行動援護はいずれなくなる(3)子どもには行動援護は使えない(4)通年かつ長期の利用になるため行動援護は使えない―などと説明。障害の状態に応じた明確な説明はなかったという。

 川口市障害福祉課の伊藤雅章課長は取材に対し、(2)と(3)については「職員が事実でない説明をしたとは考えられない」と否定。個別の件には触れずに一般論として「行動援護はあくまで外出準備も含めた外出を支援をするためのサービス。基本的に事業所内での利用は難しい」と述べた。

 一方、厚労省障害福祉課は、行動援護について「外出先の室内でもサービスは認めている。外出支援に限ったものではない。通年かつ長期も、利用者の状態に応じて市町村が必要と判断すれば可能」と指摘。受給者証が発行されていない現状には「通常では考えられない。児童の状態がこれまでと同じなのに今年から認定しなくなったのであれば、相応の理由を保護者にきちんと説明するべき」と話した。

 3人のうち自閉症を伴う重度知的障害の10代女児は危険を認知できず、突然道路に飛び出したり、かみそりを口に入れたりするという。女児は1月末まで市発行の受給者証を使い、下校後に同事業所でサービスを受けていた。母親は「いつ危険な状態になるか分からない命。行政の人に分かってもらえないのが悔しい」と嘆く。
(以下略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150823-00010009-saitama-l11


詳細な状況はわかりませんが、市の担当課長は一般論として述べているようなので、私も一般論として。


現在の報酬告示(平成18年厚生労働省告示第523号)の行動援護の該当部分より。

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注1 次の(1)及び(2)のいずれにも該当する支援の度合(障害児にあってはこれに相当する支援の度合)にある利用者に対して行動援護(当該利用者が居宅内や外出時における危険を伴う行動を予防又は回避するために必要な援護等をいう。以下同じ。)に係る指定障害福祉サービスの事業を行う者・・・が行動援護に係る指定障害福祉サービス・・・又は行動援護に係る基準該当障害福祉サービス・・・を行った場合に、所定単位数を算定する。
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この行動援護の定義部分(カッコ内)は、今春の変更前は、こうなっていました。

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行動援護(当該利用者が行動する際に生じ得る危険を回避するために必要な援護、外出時における移動中の介護等をいう。以下同じ。)
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居宅内や
という文言が明確に追加されました。


さらに留意事項通知。

変更後
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[2] サービス内容
 行動援護は、知的障害又は精神障害により行動上著しい困難がある者に対して、次のようなサービスを行うものである・・・
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変更前
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[2] サービス内容
 行動援護は、知的障害又は精神障害により行動上著しい困難がある者に対して、外出時及び外出の前後に、次のようなサービスを行うものである。
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「外出時及び外出の前後に」が削除されています。


そして、27.3.31の<Q&A>
問11 行動援護については、平成26年4月よりアセスメント等のために居宅内において行動援護を利用することが可能であるが、アセスメント以外でも居宅内で行動援護を利用することは可能か。
(答)
○居宅内での行動援護が必要であるとサービス等利用計画などから確認できる場合には、必要な期間内において、居宅内での行動援護は利用可能である。

行動援護が外出関連以外でも利用可能であることについては、以前から少しずつ国が示してきてはいましたが、今回の報酬改定で、より明確になりました。
(もちろん、以前から柔軟な対応をしていた自治体はあります。)

このあたりを、川口市は気づいていなかったのかもしれません。