月途中の福祉用具の入れ替え(追記あり)

ひさびさ、某所の話題より

H15年のQ&Aより

A:福祉用具貸与の開始月と中止月が異なり、かつ、当該月の貸与期間が一月に満たない場合については、当該開始月及び中止月は日割り計算を行う。

B:ただし、当分の間、半月単位の計算方法を行うことも差し支えない。

C:なお、介護給付費明細書の記載方法について、福祉用具貸与を現に行った日数を記載することとなったことに留意する。

このAの部分の趣旨からすれば、月の途中の何日に入れ替えたとしても、合計では1ヶ月分が適当、ということになります。
なので、1ヶ月分と半月分、合計1ヶ月半分の料金が発生する、といわれたときに、福祉用具貸与事業者以外の立場(ケアマネや利用者)が疑問を持つのは、一般的には当然のことです。

Bの部分は、開始月などに多大なコストが発生する(けれども「搬出入に要する費用は、現に指定福祉用具貸与に要した費用に含まれるものとし、個別には評価しない」と告示に書かれている)という、福祉用具貸与の実態に合わせて国が(おそらく妥協的に)容認した部分でしょう。

そのあたりの微妙な国の意向がCの言い回しに影響を与えている感もあります。


ところで、福祉用具貸与は公定価格ではないんですよね。

計算しやすいように設定すると、ある福祉用具で、搬入搬出月に3,000円のコストがかかるとします。
搬入搬出月以外は500円とします。


甲事業所は、10ヶ月で元が取れるような料金設定をしているとします。

 3,000円×2ヶ月+500円×8ヶ月=10,000円 (月1,000円)


乙事業所は、5ヶ月で元が取れる設定とします。

 3,000円×2ヶ月+500円×3ヶ月=7,500円 (月1,500円)


甲事業所は、月途中の入れ替えの際、計1ヶ月半分を請求します。

 1,000円+500円=1,500円


乙事業所は、同様の場合、半月+半月と計算します。

 750円+750円=1,500円


(あくまで計算しやすいように、という、極端な設定です。)

平均利用月数は、用具の種類によって異なるでしょうし、地域や事業者によっても差があるかもしれません。

半月+半月 というのが利用者側にはわかりやすいだろうな、と思いながらも、
報酬告示で(特別地域加算の場合を除き)開始月等を高く設定することはできなくなっているので、
1ヶ月+半月 というのも、やむを得ないのだろうな、とは思います。

もちろん、特に利用者側へのていねいな説明は必要と思います。


<2015/04/06追記>
念のため。ポイントさんを含め、ケアマネは、そして行政も、15年のQ&A自体は知っています。
知っていても、事例のような場合、半月+半月、の方が妥当だ、という読み方が多数派でしょうし、福祉用具事業者の中にもそういう取り扱いは少なくない、ということです(紹介した過去スレ等)。

つまり、1ヶ月+半月、という方が、一般的な介護業界全体では少数派、と考えられます。

少数派だから間違っている、という意味ではなく、説明するのはそういうことがわかっている関係者しかない、ということです。

「離島等地域だけ開始月に加算とってもいいが他は均等に請求しなさい」という報酬体系が妥当かどうか、ということも、介護給付分科会あたりで検討すべき問題なのかもしれません。