自動車学校の津波訴訟

<教習所津波訴訟>地裁「事態予期できた」
河北新報 1月13日(火)15時5分配信)
 東日本大震災津波常磐山元自動車学校(宮城県山元町)の教習生と事務職員計26人が死亡したのは、学校が安全配慮を怠ったためだとして、遺族が学校などに約19億6700万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は13日、津波の到達を予測してより速やかな避難が可能だったとして学校の責任を認め、学校に約19億1300万円の支払いを命じた。

 震災の主な津波訴訟で、遺族側の請求が認められたのは、2013年9月の石巻市の日和幼稚園訴訟の仙台地裁判決(高裁で和解)以来、2例目。

 高宮健二裁判長は、公共交通機関が不通となり、教習生の帰宅が困難な状況では、教習終了後も学校は安全配慮義務を負っていたと指摘。

 「教官らは消防車が中学校への避難を呼び掛けるのを聞いたと推認され、学校付近に津波が襲来する事態を予期できた」と述べ、呼び掛けに従っていればもっと迅速に避難を始められたと判断した。

 経営者や学校長ら個人に対する賠償責任については、呼び掛けを聞いていなかったり、学校内の権限がなかったりしたとして、退けた。
(以下略)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150113-00000015-khks-soci


 
(ヤフコメなど)ネット上では、被告側に酷な判決ではないか、という声が少なくないようです。
 
こちらの記事などで触れた幼稚園(高裁で和解になりましたが)のような場合には、
 
原告勝訴、というか、幼稚園や保育所の管理側の責任が問われるのはわかりやすいのですが、
自動車学校、教習所といった成人やそれに近い年齢層が利用する場所については、正直、自信がありません。
(学校側に責任がない、という意味ではなく、いろいろな点で迷いがあるということで。)
 
いずれにしても、少なくとも今後、将来に向けては、相当な規模の地震のあとの津波については、さまざまな立場の施設、人々が、相当な注意義務があると考えるべきなのでしょう。
 
なお、山元町のウエブサイトからリンクが張ってある国土地理院のデータを使って、山元町の津波関係訴訟についての概略の位置を落としてみました。Aより山側、B・Cより海側を通っている線が、現在は不通となっているJR常磐線です。
(他の報道資料等を見て、あくまで概略でつくったものなので、正確ではありません。)
 
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