原発避難者集団訴訟

原発避難者集団訴訟 前橋地裁、国と東電の責任認める 3855万円賠償命令 集団訴訟で初の判決

産経新聞 3/17(金) 21:41配信)
 東京電力福島第1原発事故の影響で福島県から群馬県に避難した45世帯137人が国と東電に計約15億円の損害賠償を求めた訴訟の判決が17日、前橋地裁であり、原道子裁判長は「巨大津波の到来は予見可能で、対策をすれば事故は回避できた」として、国と東電の責任を認め、計3855万円の賠償を命じた。

 全国で起こされている28の同種集団訴訟で初の判決。原告数は計1万2千人以上に及び、今後の各地裁の判断が注目される。

 (1)東電と国は津波を予見し事故を回避できたか(2)国は東電に安全対策を取らせる権限があったか(3)国の指針に基づく東電の賠償は妥当か-が主な争点だった。

 原裁判長は、平成14年7月、政府の地震調査研究推進本部が「マグニチュード8クラスの津波地震が30年以内に20%程度の確率で発生する」とする長期評価を公表したことから、「東電はこの数カ月後には、津波を予見することが可能だった」と指摘。「非常用電源の高所設置などの対策を取れば事故は発生しなかった」とした。

 また、国は東電に対策を取るよう命じる規制権限があり、「19年8月頃に規制権限を行使していれば、事故を防ぐことは可能だった」と、国の対応を違法と判断した。

 原告には避難指示区域外から避難した自主避難者61人も含まれ、区域にかかわらず慰謝料として1人当たり一律1100万円の賠償を請求。判決はこのうち自主避難者43人を含む原告62人について、1人当たり7万~350万円の賠償を認めた。

 また、「東電は経済的合理性を安全性に優先させたと評されてもやむを得ないような対応を取った」などと指摘。こうした非難に値する事実は、慰謝料増額の要素になるとした。
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170317-00000558-san-soci

国や東電は控訴する可能性がありますし、原告側にも賠償を認められなかった人や、金額で不満のある人も存在するようです。

今後、他の地裁での判決も出るでしょう。

いずれにしても、原子力発電というものは、国や電力会社や財界(や読売新聞の社説など)が主張しているよりはコストが高いという印象が、また強くなりました。


それとは別に(いや、無関係ではありませんが)、以前から気になっていた記事も紹介しておきます。

震災・原発対応で疲弊か 福島で職員9人自殺

 福島県と県内市町村の職員の自殺者が2016年度だけで9人に上ることが7日、自治労福島県本部のまとめで分かった。うち5人は今年1~2月に集中していた。
 東日本大震災東京電力福島第1原発の複合災害への対応に追われていることなどが背景にあるとみて、県本部は「心のケアが急務だ」などと指摘する。
 県本部によると、自殺者数は各市町村共済組合などを通じた調査で分かった。9人のうち県職員は2人。およそ半数が20代後半~30代半ばという。
 避難区域を抱える双葉郡8町村と南相馬市飯舘村の労組組合員を対象に昨年3~5月に実施した調査では、時間外勤務が月平均31時間以上との回答が38.0%に上った。200時間以上の職員も2人いた。全体の56.1%は通院や薬の服用をしていた。県本部は「異常な事態で早急な対応が必要だ」と強調。被災地自治体の職員専用電話(通話無料)を開設しており、「相談してほしい」と呼び掛けている。
 相談電話はフリーダイヤル(0120)556283=水曜午後6~9時、土曜午後1~6時=。
河北新報 2017年03月08日)
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201703/20170308_63026.html

被災地かどうか、自治体職員か否か、ということにかかわらず、自殺はしてほしくありません。
働き方改革」とか、耳障りのよい言葉の次元ではなく、とにかく生きていてほしい。

仕事で悩んでいるあなた方も、東電の被害者なのだから、あなた自身も大事にしてください。

と、あえて書きます。