社会福祉法人の(会計の)基本

法:社会福祉

局長通知:「社会福祉法人の認可について」(平成12年12月1日付け障第890号/社援第2618号/老発第794号/児発第908号厚生省大臣官房障害保健福祉部長/社会・援護局長/老人保健福祉局長/児童家庭局長通知)

課長通知:「社会福祉法人の認可について」(平成12年12月1日付け障企第59号/社援企第35号/老計第52号/児企第33号厚生省大臣官房障害保健福祉部企画課長/社会・援護局企画課長/老人保健福祉局計画課長/児童家庭局企画課長通知)


第二十五条 社会福祉法人は、社会福祉事業を行うに必要な資産を備えなければならない。

第三十条 社会福祉法人の所轄庁は、都道府県知事とする。ただし、次の各号に掲げる社会福祉法人の所轄庁は、当該各号に定める者とする。
 一 主たる事務所が市の区域内にある社会福祉法人(次号に掲げる社会福祉法人を除く。)であつてその行う事業が当該市の区域を越えないもの 市長(特別区の区長を含む。以下同じ。)
 二 第百九条第二項に規定する地区社会福祉協議会である社会福祉法人 指定都市の長
2 社会福祉法人でその行う事業が二以上の都道府県の区域にわたるものにあつては、その所轄庁は、前項本文の規定にかかわらず、厚生労働大臣とする。

第三十一条 社会福祉法人を設立しようとする者は、定款をもつて少なくとも次に掲げる事項を定め、厚生労働省令で定める手続に従い、当該定款について所轄庁の認可を受けなければならない。
 一 目的
 二 名称
 三 社会福祉事業の種類
 四 事務所の所在地
 五 役員に関する事項
 六 会議に関する事項
 七 資産に関する事項
 八 会計に関する事項
 九 評議員会を置く場合には、これに関する事項
 十 公益事業を行う場合には、その種類
 十一 収益事業を行う場合には、その種類
 十二 解散に関する事項
 十三 定款の変更に関する事項
 十四 公告の方法
2 (略)
3 第一項第十二号に掲げる事項中に、残余財産の帰属すべき者に関する規定を設ける場合には、その者は、社会福祉法人その他社会福祉事業を行う者のうちから選定されるようにしなければならない。
4 (略)

第三十二条 所轄庁は、前条第一項の規定による認可の申請があつたときは、当該申請に係る社会福祉法人の資産が第二十五条の要件に該当しているかどうか、その定款の内容及び設立の手続が、法令の規定に違反していないかどうか等を審査した上で、当該定款の認可を決定しなければならない。

第三十六条 社会福祉法人には、役員として、理事三人以上及び監事一人以上を置かなければならない。
2 役員の任期は、二年を超えることはできない。ただし、再任を妨げない。
3 役員のうちには、各役員について、その役員、その配偶者及び三親等以内の親族が役員の総数の二分の一を超えて含まれることになつてはならない。
4 次の各号のいずれかに該当する者は、社会福祉法人の役員になることができない。
 一 成年被後見人又は被保佐人
 二 生活保護法、児童福祉法、老人福祉法、身体障害者福祉法又はこの法律の規定に違反して刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
 三 前号に該当する者を除くほか、禁錮こ以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなるまでの者
 四 第五十六条第四項の規定による所轄庁の解散命令により解散を命ぜられた社会福祉法人の解散当時の役員

第三十八条 理事は、すべて社会福祉法人の業務について、社会福祉法人を代表する。ただし、定款をもつて、その代表権を制限することができる。

第三十九条 社会福祉法人の業務は、定款に別段の定めがないときは、理事の過半数をもつて決する。

第三十九条の四 社会福祉法人と理事との利益が相反する事項については、理事は、代理権を有しない。この場合においては、所轄庁は、利害関係人の請求により又は職権で、特別代理人を選任しなければならない。

第四十条 監事は、次に掲げる職務を行う。
 一 理事の業務執行の状況を監査すること。
 二 社会福祉法人の財産の状況を監査すること。
 三 理事の業務執行の状況又は社会福祉法人の財産の状況について監査した結果、不整の点があることを発見したとき、これを評議員会(評議員会のないときは、所轄庁)に報告すること。
 四 前号の報告をするために必要があるとき、理事に対して評議員会の招集を請求すること。
 五 理事の業務執行の状況又は社会福祉法人の財産の状況について、理事に意見を述べること。

第四十一条 監事は、理事、評議員又は社会福祉法人の職員を兼ねてはならない。

第四十二条 社会福祉法人に、評議員会を置くことができる。
2 評議員会は、理事の定数の二倍を超える数の評議員をもつて組織する。
3 社会福祉法人の業務に関する重要事項は、定款をもつて、評議員会の議決を要するものとすることができる。

第四十三条 定款の変更(厚生労働省令で定める事項に係るものを除く。)は、所轄庁の認可を受けなければ、その効力を生じない。
2 第三十一条第四項の規定は定款の変更の認可の申請に、第三十二条の規定は定款の変更の認可にそれぞれ準用する。
3 社会福祉法人は、第一項の厚生労働省令で定める事項に係る定款の変更をしたときは、遅滞なくその旨を所轄庁に届け出なければならない。
4 (略)

(残余財産の帰属)
第四十七条 解散した社会福祉法人の残余財産は、合併及び破産手続開始の決定による解散の場合を除くほか、所轄庁に対する清算結了の届出の時において、定款の定めるところにより、その帰属すべき者に帰属する。
2 前項の規定により処分されない財産は、国庫に帰属する。

局長通知-第2
1 資産の所有等
(1)原則
 法人は、社会福祉事業を行うために直接必要なすべての物件について所有権を有していること、又は国若しくは地方公共団体から貸与若しくは使用許可を受けていること。
 なお、都市部等土地の取得が極めて困難な地域においては、不動産の一部(社会福祉施設を経営する法人の場合には、土地)に限り国若しくは地方公共団体以外の者から貸与を受けていることとして差し支えないこととするが、この場合には、事業の存続に必要な期間の地上権又は賃借権を設定し、かつ、これを登記しなければならないこと。

(2)特例
(略)

2 資産の区分
 法人の資産の区分は、基本財産、運用財産、公益事業用財産(公益事業を行う場合に限る。)及び収益事業用財産(収益事業を行う場合に限る。)とすること。
(1)基本財産
 ア 基本財産は、法人存立の基礎となるものであるから、これを処分し、又は担保に供する場合には、法第30条に規定する所轄庁の承認を受けなければならない旨を定款に明記すること。
 イ 社会福祉施設を経営する法人にあっては、すべての施設についてその施設の用に供する不動産は基本財産としなければならないこと。ただし、すべての社会福祉施設の用に供する不動産が国又は地方公共団体から貸与又は使用許可を受けているものである場合にあっては、100万円(この通知の発出の日以後に新たに設立される法人の場合には、1,000万円)以上に相当する資産(現金、預金、確実な有価証券又は不動産に限る。以下同じ。)を基本財産として有していなければならないこと。
 ウ 社会福祉施設を経営しない法人(社会福祉協議会及び共同募金会を除く。)は、一般に設立後の収入に安定性を欠くおそれがあり、設立において事業継続を可能とする財政基盤を有することが必要であるため、原則として1億円以上の資産を基本財産として有していなければならないこと。ただし、委託費等で事業継続に必要な収入が安定的に見込める場合については、当該法人の基本財産は当該法人の安定的運営が図られるものとして所轄庁が認める額の資産とすることができること。
 エ~キ (例外規定・略)
 ク イからキまで以外の財産であっても、法人が重要と認める財産は基本財産として差し支えないこと。

3 (略)

4 残余財産の帰属
 解散した場合の残余財産の帰属すべき者を定款で定める場合には、その帰属者は、法人に限ることが望ましいこと。なお、定款で帰属者を定めない場合には、残余財産は国庫に帰属するものであること。

課長通知
第2 法人の資産
(1)法人の設立に際して、寄附金が予定されている場合は、法人設立後にその履行がなされないときは法人運営に著しく支障を来すことから、次の点について慎重に審査すること。
 ア 書面による贈与契約が締結されていることについて、契約書の写及び寄付予定者の印鑑登録証明書等により確認すること。
 イ 寄付者の所得能力、営業実績、資産状況等から当該寄付が確実に行われることについて、所得証明書、納税証明書、残高証明書、資産証明書等により確認すること。
(2)独立行政法人福祉医療機構等からの借入金に対する償還財源、不動産の賃借料その他必要とされる経常経費について、寄附金が予定されている場合も(1)と同様であるが、特に個人の寄附については、年間の寄附額をその者の年間所得から控除した後の所得額が社会通念上その者の生活を維持できると認められる額を上回っていなければならないこと。
(3)法人を設立する場合にあっては、必要な資産として運用財産のうちに当該法人の年間事業費の12分の1以上に相当する現金、普通預金又は当座預金等を有していなければならないこと。
 なお、指定介護老人福祉施設特別養護老人ホーム)等の介護保険法上の事業、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)上の障害福祉サービス又は児童福祉法(昭和22年法律第164号)上の障害児通所支援若しくは障害児入所支援にも該当する社会福祉事業を主として行う法人を設立する場合にあっては、12分の2以上に相当する現金、普通預金又は当座預金等を有していることが望ましいこと。