リハビリとゲームと輸出と

けさのNHK総合テレビで、高齢者のリハビリ用テレビゲームの話題が出ていました。
あわただしい時間帯のこと、横目で見ていた程度でしたが、オランダにも輸出、というような言葉が聞こえました。

あらためてNHKサイトを見ましたが、見つけられません。

広くネット上を探してみると・・・

社団法人コンピュータエンターテインメント協会の関係サイトらしいのですが、ゲーム研究者最新インタビューとして、高杉紳一郎氏(九州大学病院リハビリテーション部 診療准教授)のインタビューが出ていました。

「第3回 オランダにも輸出したリハビリテインメント機」より抜粋。
http://research.cesa.or.jp/interview/takasugi03.html

――最近、オランダから「高齢者のリハビリ用機器としてゲーム機を導入したい」というお話があったそうですが。

高杉:そうです。オランダ・レーワルデン市のNHL応用科学大学から「高齢者のリハビリ用にゲームを活用する共同研究をしたい」との申し出があり、ナムコさんのゲーム機を2台送りました。そのうち1台は「ドキドキへび退治」といって、高齢者がイスに座って次々と出てくるヘビを足で踏むというもので、転倒予防に効果的な足の運動を“絶対に転倒しないで安全に行える”ことを目指して、設計開発したものです。

 実はオランダにはゲームセンターのような施設がないため、大型のアーケードゲーム機についてはあまり知られていないのですが、100%の高齢者から「面白い!」との評価をいただきました。さらにオランダからやって来た研究スタッフらをゲームセンターに連れて行くと、日本のアーケードゲーム機を体感して、ものすごく喜んでいましたね。楽しみながら自然と身体を動かしているわけですから。笑顔いっぱいでした。ちなみにこのゲーム機の輸出費用は、オランダの国家予算から出ました(笑)。
(略)
 このように日本人の作ったゲームはケタはずれに面白いのです。そして非常に評価が高いのです。
(略)
ゲームの持つ力はものすごいものがあります。なにより、心を動かす力があります。“心が動けば、身体が動く”のです。

 リハビリでもっとも必要なことは「継続」です。ゲームには継続させる力があります。“こころスイッチ”を入れることができるのです。歯を食いしばって辛いリハビリを受けるより、笑いながら“思わず手が出る、足も出るリハビリ”をお届けしたいと思います。ゲームにはそれを実現する力があります。


リハビリとゲーム機(あるいはゲームソフト)との関係については、論評するほどの知識は私にはありませんが、

「楽しみながら行えるリハビリというのは、継続しやすいという点では優れた方法」

だということは、かなり以前にも主張したことがあります。

(こちらのページの <2 リハビリを「辛い訓練」とばかり考えていないか> 参照)
http://www.jupiter.sannet.ne.jp/to403/ura/shousuu.html#3

それと、介護に関連した輸出としては、いわゆる介護ロボットなどのハードウエアを主に考えていたのですが、日本産のゲームが好評ならソフトウエア(プログラムだけでなく考え方や文化なども)についても「売り物」になるのではないでしょうか。