10万円介護ロボット

政府「10万円介護ロボ」普及へ…成長戦略の柱

 政府は、安価な新型の介護ロボット普及に乗り出す。

 要介護者が歩くのを支えたり、高齢者を抱える介護職員の負担を軽くしたりするなど、機能を絞った10万円程度のロボットの開発を促す。さらに、介護保険の対象を広げ、これらのロボットを月数百円でレンタルできるようにする。政府は、普及策を6月にまとめる成長戦略の柱と位置づけ、介護職員不足の緩和や新産業の育成につなげる方針だ。

 政府が普及を促すのは、〈1〉介護する人が高齢者らを抱え上げる時の負担を減らす〈2〉高齢者らが自分で歩くのを支える〈3〉排せつ時の支え〈4〉認知症の人を見守るシステム――の4分野のロボットだ。政府は今年度から、これらのロボットを開発する企業などに開発・研究費の半額~3分の2程度の補助金を出す。補助金総額は今年度だけで約24億円。
(2013年4月28日11時29分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/news/20130427-OYT1T01323.htm


ネット上で見つけたのはこれだけですが、実際の紙面ではもっと記述がありまして、

・介護職員が腰に着けて、少ない力で高齢者などを抱きかかえられる機器
・寝室や居間で排泄物を自動処理するトイレ
認知症の人の居場所を把握できるセンサー

などを想定、というような内容です。
あと、現在の機器が2千万円級ということなので、それを10万円に下げるのは、容易ではないだろうな、とは思います。

ネット上の反応もいろいろで、
たとえば「介護職員不足の緩和」なら、ロボット開発より介護職員の給与に回せ、
みたいな声も見かけました。

今回は、そういうことには深入りせず、ただ、流れとしては、開発方向に進んでいく分野なのだろうな、とは思っています。

ちなみに、「公益社団法人かながわ福祉サービス振興会 介護ロボット推進課」のサイトでは、

●介護支援型
 移乗・入浴・排泄など介護業務の支援をするロボット。
●自立支援型
 歩行・リハビリ・食事・読書など介護される側の自立支援をするロボット。
●コミュニケーション・セキュリティ型
 癒してくれたり、見守りをしてくれるロボット。

という分類になっています。
http://www.kaigo-robot-kanafuku.jp/category/1438992.html


余談ですが、ロボットのイメージについて。

アシモフロボット三原則とかは本格的すぎるので置いといて(笑)
アニメやマンガなどで登場するロボットは、こういう感じで分類できるのではないかと。

A:自立思考型:鉄腕アトムエイトマン(人間の記憶を移した、という設定ですが)など
B:外部操縦型:鉄人28号、ジャイアントロボなど
C:内部(搭乗)操縦型:マジンガーZモビルスーツ機動戦士ガンダム等)など
D:艦船またはシステム全体が人工知能:HAL(2001年宇宙の旅)、アルカディア号(キャプテン・ハーロック。これも人間の記憶を引継ぎ)など

いや、異論はあると思いますが(笑)

で、完全なAは、今のところ実現していません・・・たぶん。

Bについては、さすがに巨大ロボットは無理ですが、リフトなどのリモコン操作、というのは、システム的に似てないこともないような。

Cも、巨大ものは無理ですが(略)
もともと、モビルスーツの概念のきっかけになった「パワードスーツ」(ほぼ等身大)については、かなり現実性を帯びてきたように思います。
介護者の使用だけでなく、「かながわ福祉サービス振興会」の分類でいう「自立支援型」も可能ですね。
筋電流や、脳波読み取り、ということなら、神経難病系の重度障害者にも福音は広がるでしょうか。

Dについては、建物自体に見守り機能を持たせる、という形では、実現可能なのでしょうね。
プライバシーとの兼ね合いをどうするか、という問題はあります(浴室やトイレも建物の一部)。


ところで、たぬさんのこちらの記事に、
http://blogs.yahoo.co.jp/tanu_wb/63868808.html

介護ロボットの輸出を示唆といえないこともないコメントをしたことがあるので、せっかくなのでトラックバックしておきます。

もちろん、「ハード」(機器)の輸出には、「ソフト」(プログラムや操作技術だけでなく、その国の文化や人生についての思想などの理解も)が必要ではあると思いますが。