私の好きな日本人

歴史街道」11月号に、「杉原千畝とサムライたち」という特集記事が出ていました。

この雑誌は、普段はあまり読んでいない(立ち読み程度)のですが、エルトゥールル号の救難とか、たまに私が惹かれる特集記事があったりします。
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31793383.html


杉原千畝(ちうね)氏は、在リトアニアの領事代理をしていたときに、外務省の訓令に反してユダヤ難民へのビザを大量に発給した人です。

第二次世界大戦でドイツとソ連ポーランドを分割して占領し、ナチスの迫害から逃げるためにユダヤ人がソ連支配下リトアニアに押し寄せてきました。

シベリア鉄道ウラジオストックから敦賀港というルートで日本に入国し、さらに安全な第三国に脱出するための、日本通過ビザを求めるためです。

ドイツとの関係を損ねたくない日本外務省は、拒否的な訓電を杉原氏に打つのですが・・・・・・


彼が発給したビザで、6千人以上のユダヤ人が救われたといわれます。

それは私も知っていたのですが・・・・・・

さらに彼の意志をつなぐ日本人が、少なくとも2人。
ウラジオストックの総領事代理・根井三郎氏と、ユダヤ文化研究者・小辻節三氏。

これは、知りませんでした。


杉原氏関係の著作物は「歴史街道」以外にも出ていますし、ここでは詳しく触れないとして。

最近はヘイトスピーチや、いわゆる「自虐史観」、歴史教科書の採択問題など、ネット上だけでもいろいろな意見が出ていますが、教科書に載せるのだったら、こういう人物をお願いしたいと思います。

私が好きで、心から尊敬できるのは、こういう人たちです。

「政府の訓令に反して」という人物をほめるのは、公務員の端くれとしてはマズイのかもしれませんが(苦笑)
同誌の記事によれば、杉原氏らにより救われたユダヤ人は、子孫を含めると36,000人にも及ぶとか。

そして、東日本大震災で支援の手を差し伸べた中には、イスラエル政府はもちろん、米国のユダヤ人組織などもあったそうです。

対日感情を良くするのは、政府、政治家より、たぶん、こういう人たちの行動の積み重ねなのだろうと思います。