ロシアを信用できない理由(書く必要もないことだけど)

鈴木宗男氏のブログの6月14日付け記事に対するコメント欄より

「占領下の市民が拷問を受けたり強制連行されてる状況では停戦なんてできませんよ。ロシアの撤退こそ訴えていくべき。」

 

これに対して、翌日の記事で、鈴木氏はこう返しています。

「○○さん、ウクライナ兵が何をしているか知っていますか。一方的情報のうのみは危険です。」
(ハンドルを「○○」に置き換えているのは私の判断です。)

 

前にも書きましたが、コメント欄を開放し、ご自分にとって不都合な意見に対しても(短文ではありますが)コメント返しをしているところは評価されてもよいと思っています。

しかしながら、「一方的情報のうのみ」をしているとすれば、それはロシア側情報に対する鈴木氏の対応の方でしょう。

 

ウクライナ兵が全て品行方正か、私は証明することができません。
しかし、ロシア兵が戦争犯罪か、少なくともそれに類する行為、その疑いが濃厚な行為を行っていることは、相当の確かさで間違いないものと考えています。

理由はいくつかあります。

 

1)一般的に、報道や意見の表明が制限されている国と、そうでない国との主張が対立している場合は、前者(制限されている国)の主張が虚偽である可能性が高い。

前者はロシアのほか、中国、北朝鮮などで、後者は日米豪欧などの主要国、いわゆる西側諸国が代表です。
どちらの国の政府も誤ちを犯す可能性はあるにしても、報道が自由な国では、その誤ちについてメディアなど政府以外の人間が暴くことができます。

鈴木氏はウクライナ政府や現地メディアの発表について信用できない(本音としては「信用したくない」かもしれませんが)と考えているかもしれませんが、少なくとも中露鮮よりは、ずっと信用できるものでしょう。
なぜなら、ここで重大な虚偽情報を流せば、頼りとしている西側諸国の信用を失ってしまうからです。

なお、日本を含む西側諸国のメディアの独自取材、複数の国連機関などの発する情報は、ウクライナよりロシアの情報の方が誤っている可能性がはるかに高いことを示しています。
また、避難などで安全な日本に居住しているウクライナ人やロシア人の発言も、ロシア軍やロシア政府の非道な行為について語っています。

 

2)ロシアの前身のソ連は、すでに戦争犯罪の名に値する行為を行っている。

日ソ不可侵条約を破棄して(この有効性に対する見解も日ソ間で違いがありますが)日本に参戦したソ連は、日本のポツダム宣言受諾後も戦闘を続け、旧満州などで日本の民間人に対する強姦や略奪などを多数行いました。
千島列島の占守島で日本軍がソ連軍に猛反撃して占領を遅らせなかったら、ソ連軍は北海道本体に侵入していた可能性があります。米軍の北海道進駐はまだ行われていませんでしたから。
最悪、鈴木宗男氏は「北日本民共和国」の出身になっていたかもしれないのです。

占守島満州などの旧日本兵は、シベリア抑留の対象となりました。これ自体が違法(ポツダム宣言違反)ですが、民間人も抑留されました。ウクライナなど、シベリア以外に拉致された人々もいます。
これらのことは、日本人の手により多くの記録や文学作品などに残されています。
鈴木氏は、これらも「一方的情報のうのみ」と思いますか?

 

3)ソ連もロシアも虚偽を主張した前歴がある。

これも、ウクライナに対しての話ではなく、日ソ、日露間の話です。
北方領土の返還交渉について、すでに合意したことを、後年になって虚偽の主張等で反故にされたことがあったはずです。
この件については鈴木氏の方が詳しいはずだと思いますが。

 

4)仮に、ロシアもウクライナも信用できないとしても・・・

もし、ロシアとウクライナ、双方とも信用できないとしても。
現実に国境を越えているのは、ロシア軍です。
ウクライナの主張を認めたとして、それに虚偽が含まれていたとしても、ロシア領内の人々の生命が直ちに危険になることはありません。
一方、ロシアの主張が虚偽であった場合、ウクライナ領内の人々に、直ちに生命の危険が及びます。
より緊急性が高い事態を想定して動くことが妥当適切なのは明らかと思います。

 

まあ、でも、鈴木氏も、ヤフコメなどでロシア擁護(というより西側批判)している人々も、こんなブログは読まないだろうし、読んだとしても理解できないだろうし、理解できたとしても言動を改めたりしないだろうな。

参議院でのグレンコ氏の発言ぐらいは、参議院議員としては少しは理解してほしかったところですが・・・

 

仮に利権や裏工作なんかがなかったとしても、
「人間は自分が信じたいものを信じる」ものだから。