なぜ「指定の効力停止」なんだろ?

高齢夫婦虐待:外出できないようドアにチェーン 神戸

毎日新聞 2013年06月03日 18時53分)

 神戸市は3日、同市北区の高齢夫婦に虐待をしていたとして、ケアプランを立てた居宅介護支援事業所「セントケア北六甲」(同市北区)とヘルパーを派遣していた「あじさいのもり神戸」(同)を介護保険法に基づき、8月1日から6カ月間、事業所指定を停止すると発表した。営業停止処分にあたる。

 市介護指導課によると、マンションに住む90代男性と80代女性の夫婦は2011年3月から訪問介護を受けていた。昨年8月21日、女性介護ヘルパーが夫婦らに無断で、玄関ドアノブと窓の格子をバイク用チェーンキーでつないで外から施錠し、外出できないようにした。訪問時だけ解錠し、退出時に再び施錠していた。

 ケアマネジャーら両事業所幹部も認識していたという。両事業者は市に「男性が出歩き、転倒や事故の恐れがあった。(了解が必要な)身体拘束や虐待に当たらないと思っていた」と説明したという。女性は歩行困難だったという。
(以下略)
http://mainichi.jp/select/news/20130604k0000m040031000c.html


神戸市サイトに処分内容が出ていましたので、抜粋します。
http://www.city.kobe.lg.jp/information/press/2013/06/20130603133301.html

介護保険法に基づく指定居宅介護支援事業所及び指定訪問介護事業所の指定の全部効力停止処分

1.処分を行う事業所の概要
(1)居宅介護支援事業所
 ・名称
  セントケア北六甲
 ・運営法人
  セントケア西日本株式会社(法人所在地:神戸市・・略)
(2)訪問介護事業所
 ・名称
  あじさいのもり神戸
 ・運営法人
  株式会社日本エルダリーケアサービス(法人所在地:東京都港区・・略)

2.処分の内容
上記の2事業者について、指定の全部効力停止(6カ月間)
※指定の全部効力停止処分により、上記2事業者は、6カ月間、利用者に対して介護保険法に基づく介護サービスを提供すること及び介護報酬の請求ができなくなる。新しい利用者を受け入れることもできない。
なお、上記2事業所の現在の利用者の方は、効力停止期間中は、他の介護サービス事業者から介護サービスを受けていただくことになる。

3.処分開始年月日
平成25年8月1日(木曜)(事業所への通知は平成25年6月3日)

4.認定事実
○ 利用者本人又は家族等の了解をとらない等手順を経ていない行動制限(身体拘束)=利用者に対する虐待
 平成24年8月10日頃から、当該居宅介護支援事業所の管理者兼ケアマネジャーが、利用者宅の玄関をひもで括り、出られないようにしていた。そのひもを本人が自力で切ったため、8月21日からバイク用のチェーンで外側から施錠していた。
 当該訪問介護事業所は、当該利用者にサービスを提供していたが、この施錠の件については管理者及びサービス提供ヘルパーが知っており、チェーンを外してサービスを提供し、提供を終えたら再びチェーンをかけていた。
 施錠するにあたって、両事業所とも本人や本人家族等の了解は得ておらず、また、当該ケアマネジャーは、併設の地域包括支援センター(・・略)等に相談をしていなかった。
 チェーンの鍵は、当該ケアマネジャーと、当該訪問介護事業所のサービス提供ヘルパーが保管していた。
 これは、手順を経ていない行動制限(身体拘束)であり、虐待である。
 なお、この事案により、当該利用者への身体的被害は発生していない。

○ 虐待事例の神戸市への報告義務違反
 当該事例が虐待であるにもかかわらず、両事業所とも神戸市への報告を行っていなかった。

○ 高齢者虐待防止に係る研修の実施が不十分であったこと
 高齢者虐待防止・身体拘束廃止について両事業所とも事業所内で研修が行われていたものの、研修内容に沿った行動・サービス提供を実施できていなかった。
 当該ケアマネジャーは当該居宅介護支援事業所の管理者であり、また、当該訪問介護事業所の管理者は今回の件について了知していながら看過していた。両事業所の管理者とも、事業所運営の一環として研修を主宰すべき立場の者であるにもかかわらず、研修の趣旨を理解できていたとは言えない。

5.根拠法令
(1)居宅介護支援事業所:介護保険法第84条第1項第4号(同法第81条第5項(要介護者に対する人格尊重義務)違反)
(2)訪問介護事業所:介護保険法第77条第1項第5号(同法第74条第6項(要介護者に対する人格尊重義務)違反)

6.これまでの経緯
平成24年11月27日 当該利用者の知人を名乗る人物よりの当該利用者に会えないという苦情に基づき、介護指導課職員がケアマネジャーに連絡をとったところ、施錠の事実が発覚
平成24年11月28日 北神保健福祉課あんしんすこやか係が現地訪問・確認(写真撮影)、鍵を外すよう指導・開錠
平成24年11月29日~介護保険法・高齢者虐待防止法に基づく監査・事情聴取及び立入検査(以降、処分決定まで18回にわたり現地調査及びヒアリングを実施)
平成25年5月17日・22日 事業者に対し行政手続法に基づく聴聞を実施

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記事の表題ですが、

なぜ「指定取消」ではないのだろう?

という意味です。

介護保険法や虐待とかいう以前に、刑法犯の疑いがありますし。
(外出できないようにするのは自宅といえども監禁でしょうし、他人の住居にチェーンなどを勝手に取り付けるのも、状況によっては建造物損壊になるかも。)