競争のない地域で質を上げるには(3)

スタッフ自身の手でサービスの質が上がらない場合には、組織としてテコ入れすることが考えられます。

介護保険制度スタートの前後ですが、ある地域で、それまで町営だったヘルパーステーションを社会福祉協議会に移しました。
同時に、「友愛訪問」レベルだった主任ヘルパークラスを切り(本人との話合いなど手順を踏んでですが)、当時30代だったヘルパー中心にした新体制を発足させました。

改革は大きな痛みを伴うことがあります。
抜擢されたヘルパーも直後は大変だったと思いますが、彼女のその後の活躍や、住民の方々の満足度を見ると、成功だったと思います。
 
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組織がテコ入れするような力を持たない場合は、どうすればよいでしょうか。

いよいよとなれば、経営陣を変えてしまうことも考えられます。

たとえば、社会福祉法人では、定款に基づいて役員を選任しています。
評議員会を置く社会福祉法人の場合、国の定款準則どおりなら、理事は6名以上、評議員は13名以上となります。
最低数で構成される法人なら、理事6名のうち過半数(4名)の賛成が確保されれば通常の議案は通ります。

準則どおりの定款なら理事は評議員会で選任されるので、理事会の運営に問題があれば、評議員会で解任することも可能です。
評議員会を置かない社会福祉法人など、このとおりではない場合もあります。)

また、公設民営、指定管理などの施設では、自治体から理事や評議員として法人に職員を送り込んでいる場合があるので、そういう「公益的な」役員等に理解を求めることは重要です。

なお、営利法人など、経営陣をひっくり返すことが制度上も実務上も困難な法人もありますが、競争原理が働かないような地域には営利法人は少ないでしょう。
(電力会社など、営利法人でありながら、競争原理とは無縁に近い業種もありますが・・・)
 
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たぶん、もう少し続きます。