田辺市の訴え却下・要介護認定

地裁が田辺市の訴え却下 介護保険認定めぐる訴訟

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120515-00000003-agara-l30
紀伊民報 5月15日(火)17時2分配信
 和歌山県田辺市の要介護認定をめぐり、被保険者の審査請求で県の審査会が被保険者の主張を認めたことに対し、市が県に取り消しを求めていた訴訟の判決公判が15日、和歌山地裁であった。高橋善久裁判長は、市の訴えを却下した。

 介護認定をめぐり、市町村が県を提訴するのは異例。

 県の主張が認められた形になった。これまでの公判で、県は最高裁判例を理由に「市には原告としての資格がない」として、訴えを却下するよう求めていた。

 市は2010年6月、市内に住む90代女性の要介護認定を「2」から「1」に変更。女性側はこの変更について「身体の状態と認定結果に大きな乖離(かいり)がある」として、翌7月、県の介護保険審査会に審査を請求した。審査会は双方の意見を聞いた上で、10月に女性側の主張を認める裁決をした。市は11年4月、この裁決の内容は認められないとして提訴した。

 裁決は、市の介護認定の2項目について、女性の主張を認めたり、再確認の必要性を指摘したりしていた。市はこれまでの公判で「仮にこの2項目で女性の意見が認められても、認定は変えられない」とも主張していた。

 市によると、女性は現在、要介護認定4という。

 審査会は都道府県ごとにある。要介護認定や保険料に関する市町村の決定に納得できない時に、被保険者が審査を請求できる。県によると、裁決内容は認定の度合いではなく、申請を認容▽棄却▽却下―のいずれかを選択するしかない。審査会ができた1999年度から2011年度末までに、審査請求は170件あった。このうち要介護認定に関係するのは110件あったという。

 判決について県は「県の主張を理解いただいた」と仁坂吉伸知事のコメントを発表。田辺市は「判決文を読んで弁護士と相談しながら今後の対応を検討していく」との真砂充敏市長のコメントを出した。

ここまで、誤解が生じないように、全文引用です。

市に原告適格がないという最高裁判例は、まだ調べられていません。
他の情報も、紀伊民報の一連の記事ぐらいしか見つかっていません。

「知事提訴の議案可決 田辺市議会が全会一致」
(AGARA紀伊民報 2011年03月11日更新)
http://www.agara.co.jp/modules/dailynews/article.php?storyid=206944

 市によると、認定に至る1次判定の調査76項目のうち、女性から9項目に不服があるとされた。県の審査会は9項目のうち歩行に関する1項目で女性の主張を認め、洗身に関する1項目は詳細な調査が必要としたという。

 市は歩行と洗身の2項目が女性の主張通りだとしても、要介護を「1」から「2」に変更するには至らないとして、県の審査会の裁決を取り消すよう訴えを起こすことを決めた。

一応、時系列順に並べてみます。

2000(H12)年4月 介護保険法施行
2003(H15)年4月 認定ソフト等の変更
2004(H16)年12月 女性が「要介護2」
2006(H18)年4月 認定ソフト等の変更
2009(H21)年4月 認定ソフト等の変更(ただし、批判が多く、経過措置あり)
2010(H22)年6月 女性が「要介護1」
2010(H22)年7月 女性が審査請求
2010(H22)年10月 県介護保険審査会が「認容」裁決
2011(H23)年4月 市が提訴

要介護認定ソフト等の変更により生じた問題とは断言できないようです。
素直に読んで、やはり調査(調査員・調査方法)の問題でしょうか。