統計から被災地の介護保険を見る6

3年前、「統計から被災地の介護保険を見る」というシリーズ記事を書きました。
(こちらから5記事ばかり。)
http://blogs.yahoo.co.jp/jukeizukoubou/31894244.html

そのときと同様、介護保険事業状況報告(暫定)の平成22年~27年の各11月分のデータを使って、被災地の状況を統計から見てみます。

対象は、全国データ(総数または平均)、岩手・宮城・福島の各県、それに被災地の保険者の中から、規模の異なる大槌町石巻市、相馬市。
基本的に、被保険者データは各月末、サービス受給データは9月現物給付、10月償還給付です。
なお、被保険者データは1号被保険者のものですが、要介護(支援)認定者、サービス受給者データには(少数ではありますが)2号被保険者のものを含みます。

前回が「5」までだったので、記事タイトルは「6」からスタートします。

まず、1号被保険者数の増減から。
震災の前年、平成22年11月末の数値を100とした比較です。

イメージ 1
高齢化で全国的には1号被保険者数が年々増加していますが、被災3県では一度減少しました。
大槌町は特に減少幅が大きく、3年前は回復の兆しすら見えていませんでしたが、その後は上昇に転じています。が、被災前の水準には遠く及びません。
相馬市、石巻市は、被災前の水準は上回っています。

次に、要介護(支援)認定率。1号被保険者数に対する要介護(支援)認定者の割合ですが、認定者数には2号被保険者も含まれています。

イメージ 2

震災前、岩手県福島県は全国平均を上回り、宮城県は下回っていました。震災後は、各県とも全国平均を上回る状態になっています。ただし、宮城県は25年あたりから横ばいの傾向です。
大槌町は、震災後に急上昇し、その後は全国平均に近い水準まで下降しました。
石巻市、相馬市は、震災前は全国平均より低い水準でした。石巻市は全国平均も県平均も超えて上昇しましたが、相馬市は24年頃に全国平均に近づいたものの、その後は下降または横ばいの傾向です。

(つづく)