被災地の訪問リハ単独開業(追記あり)

訪問リハビリの単独開業を容認=被災地の医師不足を考慮-厚労省

 厚生労働省は14日、心身が衰えた高齢者向けの介護保険サービスの「訪問リハビリテーション」について、東日本大震災の被災地に限り、事業所の開業基準を緩和することを決めた。現行は病院や診療所への併設でなければ開業できないが、被災地では医師不足で診療所の閉鎖が相次いでいることから、特例で単独開業を認める。これにより、被災地の高齢者がリハビリを受けられずに要介護度が重くなるのを防ぐ。
 訪問リハビリの単独開業の対象は、昨年12月に成立した復興特別区域(特区)法が適用される11道県の計222市町村。単独開業は省令改正により、申請のあった地域ごとに今月以降順次認める。(2012/01/14-15:14 時事ドットコム
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201201/2012011400215


いささか旧聞に属しますが、なかなか記事立てできなかったので。

他のソースでは、
・あらかじめ指示を受ける医師を決めておくことを条件に訪問リハビリの単独開業を認める。
・被災地では、慣れない仮設住宅暮らしで高齢者の心身が著しく衰えるケースがあり、重度化を防ぐリハビリの重要性が指摘されていた。
という情報もあります。

「被災地に必要な支援を特例で」という趣旨は結構と思うのですが、
○単独開業を容認して、どの程度の効果があるのか(応じるPT等がどれだけいるか)
○訪問リハビリよりも緊急性が高い支援(不足しているもの)が他にあるのではないか
などの疑問はあります。

なお、訪問リハビリが不足している地域は、全国的に少なくないことはいうまでもありません。


2012/01/23 21:37頃 追記

日本作業療法士会のサイトで、
介護保険領域における訪問看護ステーションと同様な訪問リハビリステーションの創設のお願い(要望)」
という文書を見つけました。
http://www.jaot.or.jp/about/iken/

平成23年11月21日付けで、社団法人日本理学療法士協会・社団法人日本作業療法士協会・一般社団法人日本言語聴覚士協会の3会長連名で、厚生労働大臣に要望書を提出しているようです。
(他に、民主党幹事長あての同種の文書もあります。)

(以下、本文基幹部分の抜粋)
 さて、今後の医療・介護については、地域の実情に応じたサービス提供体制の効率化・重点化、そして機能強化を図る必要があると認識しています。しかしながら、地域では、リハビリテーションのニーズがあるにもかかわらず、現在のリハビリテーション資源は他の介護サービスに比べサービス拠点数が圧倒的に少なく、ニーズに応じた提供量が確保出来ていません。とりわけ、訪問リハビリテーションは、極めて量が不足しており、地域間の格差問題もあります。そこで、我々3団体は、広く国民へのリハビリテーションサービスの普及を念頭に置き、「共同利用型訪問リハビリステーション」の設置をご要望申し上げます。この「共同利用型訪問リハビリステーション」は、在宅医療の充実や地域包括ケアシステムの構築、居住系サービスの機能強化、そして介護予防や重度化予防の実現に直接寄与でき、国民の安心で安全な医療・介護サービスの提供体制の実現にかなうものと考えます。
 何卒ご高配賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

■共同利用型訪問リハビリステーションが果たす役割
1.訪問リハビリサービスの事業所数や利用者数を拡充し、地域格差を是正すること
2.ステーション化することで、地域の診療所等が使いやすいリハビリ資源となること
3.課題である医療・介護連携の橋渡しを担い、多職種協働を積極的に推進すること

添付資料のうち、「共同利用型訪問リハビリステーション」のイメージがわかりやすそうなものだけ紹介しておきます。
(引用者の都合で、画像の縮小、色数の256色化を行っています。)
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