震災と個人住民税3

問1-5 平成23年所得が平成22年所得と比べて大幅に減少した者に対してはどのような措置を講ずればよいのか。

(答)
○ 平成23年所得が平成22年所得と比べて大幅に減少した者について、地方税法第323条の規定の基づき条例で定めるところにより減免措置を講じることが可能である。

○ 具体的な減免の方法については、以下のような判定基準により、減免措置を講じている団体もあることから参考にされたい。この場合に、所得減少の程度を判定するに当たっては、平成23年度の賦課を行う段階では平成23年所得が確定しないことから、当該納税義務者について納期限の延長を行った上で、平成23年所得が確定した時点で所得減少の程度の判定を行って減免額を決定することも考えられる。

(例)A市における所得減少の程度と前年の所得金額による減免額の判定基準
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○ なお、被害状況や個々の納税義務者の収入の状況等の地域の実情によっては、上記の例にかかわらず、所得の減少の程度、前年の所得金額の計算方法・基準等について設定しても構いません。


問1-6 平成22年分所得税について雑損控除を適用した場合において、平成23年度分個人住民税(平成22年分所得)について条例による減免を適用し、平成24年度分個人住民税(平成23年分所得)について雑損控除を適用することができるか。

(答)
○ 所得税においては、東日本大震災による被害により生じた損失額について、雑損控除の適用を受けた場合には、災害減免の適用を受けることはできない。一方、個人住民税においては、東日本大震災による被害により生じた損失額についての雑損控除と地方税法第323条による条例に基づく減免とを併用することが可能である。

○ 個人住民税について条例による減免と雑損控除を併用する場合において、雑損控除を適用する所得については、所得税において適用する所得と一致させる必要はなく、平成22年分所得税について雑損控除を適用した場合においても、平成24年度分個人住民税(平成23年分所得)について雑損控除を適用することが可能である。

○ なお、地方税法第45条の3及び第317条の3により、前年分の所得について所得税法の規定による確定申告書を提出した場合には、当該年度分の個人住民税の申告書が提出されたものとみなすこととされており、個人住民税について特段の申告を行われなくても雑損控除が適用される。ただし、個人住民税において地方税法第45条の2及び第317条の2に基づく申告を行うことにより、所得税について雑損控除を適用する所得と異なる年分の所得に個人住民税の雑損控除を適用することが可能である。また、雑損失の金額の繰越控除についても、各年度において所得税の確定申告とは別に個人住民税の申告を行うことにより、所得税において適用する所得と異なる所得において適用することが可能である。

○ また、被災者が所得税における災害減免及び個人住民税における条例に基づく減免並びに所得税・個人住民税における雑損控除の適用を円滑に受けられるよう、税務署と十分に連携しつつ、特例措置の内容や手続等について、被災者に便宜を図ることが適当である。

具体例:平成22年分所得税において雑損控除を適用し、5年間の繰越が見込まれる場合
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