雑損控除の特例手続き

第9 8 雑損控除の特例を受けるための手続き
問 雑損控除の特例を受けるための手続きはどのようになりますか。

(答)
 雑損控除の特例を適用するための手続きは、次のとおりです。

1 「被災した住宅、家財等の損失額の計算書」の記入
 生活に通常必要な資産について、大震災により被害を受けた場合の損失額は、その損失が生じた時の時価を基礎として計算することとされていますが、大震災により被害を受けた生活に通常必要な資産のうち、住宅、家財及び車両について個々に損失額を計算することが困難な場合には、この明細書を使用して損失額の合理的な計算方法により損失額を計算します。
(注)次の場合には、「平成 年分 雑損失の金額の計算書」も併せて使用すると便利です。
  [1] 大震災に係る雑損失以外の雑損失がある場合
  [2] 損失額の合理的な計算方法以外の方法で住宅等の損失額を計算する場合
  [3] 災害関連支出がある場合

2 確定申告書等への記入
(1)平成22年分の確定申告書を提出していない場合
 平成22年分の確定申告書を提出していない場合には、雑損控除額等を記載した平成22年分の確定申告書を提出します。
 この場合、平成22年分の所得金額から雑損控除額が引ききれるときは、その方の所得の種類に応じ「申告書A」又は「申告書B」を使用します。
(注)「申告書A」は、申告する所得が給与所得や公的年金等・その他の雑所得、総合課税の配当所得、一時所得だけの方が使用できます(予定納税額のある方は申告書Bを使用します。)。
  また、平成22年分の所得金額から雑損控除額が引ききれず、平成23年分以後雑損失の繰越控除を適用する場合には、「申告書B」とあわせて「申告書第四表」を使用します。

(2)平成22年分の確定申告書を既に提出している場合
 平成22年分の確定申告書を大震災前に既に提出している場合には、震災特例法の施行日から起算して1年を経過する日までに、更正の請求をすることにより雑損控除の特例の適用を受けることができます。「更正の請求書」を提出し、その内容が正当であったときは、その内容が税務署から通知されます。

(注1)上記の計算書は国税庁ホームページに掲載しています。なお、税務署にも用意しています。
(注2)確定申告書の記載方法は、「平成22分所得税の確定申告の手引きA用(B用)」をご覧ください。



9 雑損控除の特例を受けるための申告書の記載方法
問 雑損控除の特例の適用を受けるためには、その適用を受ける旨を申告書に記載することとされていますが、どのように記載すればよいですか。

(答)
 雑損控除の特例の適用を受ける場合には、平成22年分の確定申告書、修正申告書又は更正請求書に、この特例の適用を受ける旨の記載をしなければなりません。
 具体的には、申告書第二表の「雑損控除」の「損害の原因」欄に「東日本大震災」と記載しているか「損害年月日」欄に「23.3.11」と記載しているなど、平成22年分の雑損控除の対象とした損失額が大震災により生じたことが明らかにされていれば、この特例の適用を受けようとする旨の記載があるものとして取り扱われます。
 また、確定申告書に「被災した住宅、家財等の損失額の計算書」が添付されていれば、この特例の適用を受けようとする旨の記載があったものとして取り扱われます。

【申告書第二表(B用)】
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【法令等】
震災特例法4、所法72



10 特定雑損失の繰越控除を受ける旨の記載方法
問 雑損控除の特例を適用して平成22年に引ききれず、平成23年分以後に繰り越す特定雑損失が生じました。この特定雑損失を翌年以後に繰り越すための申告書への記載方法はどのようになりますか。

(答)
 平成23年分以降に繰り越す雑損失のうち、平成22年特定雑損失金額がある場合には、その金額を申告書第四表に以下のとおり記載します。

【申告書第四表(二)】
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【法令等】
震災特例法5、所法71