雑損控除・家財の損失額

第3 9 住宅の被害が軽微であった場合の家財の損失額の計算
問 大震災による住宅の被害は窓ガラスが割れるなど軽微なものでしたが、家財については後日激しい風雨にさらされ相当の被害を受けました。この場合、家財については損失額の合理的な計算方法により計算してよいのでしょうか。

(答)
 今回の大震災による損失額の合理的な計算方法は、建物の主要構造部に被害を受け、それを放置しておくと住宅としての使用が困難となる場合について適用しますので、主要構造部について損害を受けていない場合には、損失額の合理的な計算方法によることなく個別に計算することとなります。
 ご質問の場合、住宅の被害の程度にもよりますが、住宅の被害がごく軽微な場合には、住宅及び家財について損失額の合理的な計算方法により計算することは適当ではありません。
 そのため、この場合の家財については、個別に計算することとなります。



12 「家族構成別家財評価額」の適用(同一世帯に収入のある者が複数いる場合)
問 夫婦とその成年の子2人の家族の場合、同居する2人の成年の子にも収入があり、それぞれの所有する家財にも被害を受けていますが、損失額を個別に計算できません。この場合、家財の損失額をどのように計算すればよいのでしょうか。

(答)
 損失額の合理的な計算方法により計算することとなりますが、この場合、世帯主の年齢に応じた(夫婦+大人2人)金額が世帯の家財の損失額となります。
 家財の評価額は、生計を一にする親族の数によって決まりますが、その判定においては同居の有無なども考慮することとなります。
 また、損失額の合理的な計算方法により計算した家財の損失額が、実情にそぐわない場合には、損害を受けた各家財について個別に損失額を計算することとなります。
 なお、各人の雑損控除の適用における損失額は、その損失額を適宜各人に割り振った金額となります。


13 「家族構成別家財評価額」の適用(18歳以上か否かの判定時期)
問 家財に対する損失額の計算において、「生計を一にする親族の数」に応ずる家財の額は、大人(18歳以上)1名につき130万円ということですが、この18歳以上に該当するか否かの判定はいつの時点で行いますか。

(答)
 18歳以上に該当するかどうかは、「災害の始まった日」の現況により判定します。
 また、生計を一にする親族であるかどうかについても、「災害の始まった日」の現況により判定します。

別表2「家族構成別家財評価額」は、これです。
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14 「家族構成別家財評価額」の適用(生計を一にする親族数の判定)
問 家財に対する損失額の計算において、「生計を一にする親族の数」に応ずる家財の額は、大人1名につき130万円(子供1名につき80万円)ということですが、配偶者と死別している場合は、どのように計算するのでしょうか。

(答)
 配偶者と死別している場合は、「家族構成別家財評価額」の「夫婦」欄を使用し、大人1名分(130万円)を差し引いて計算します。
(注)離婚している場合は、一般的には財産分与が行われていることから、分与した方は「独身」欄を使用し大人又は子供の額を加算しますが、それ以外の場合は、死別の場合と同様に計算して差し支えありません。

【計算例】
 妻(45歳・夫と死別)、子(15歳)の世帯の場合
「夫婦」欄の45歳(1,100万円)-大人1名(130万円)+子供1名(80万円)=1,050万円