義援金などの控除(一般災害など)

引き続き、国税庁タックスアンサーより
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1150.htm

No.1150 一定の寄附金を支払ったとき(寄附金控除)

東日本大震災に係る義援金等を支出した場合はこちらをご覧ください。*別記事予定

[平成23年6月30日現在法令等]

1 制度の概要
 納税者が国や地方公共団体特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合には、所得控除を受けることができます。これを寄附金控除といいます。なお、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金及び公益社団法人等に対する寄附金のうち一定のものについては、所得控除に代えて、税額控除(No.1260、No.1263、No.1266参照) を選択することができます。

2 特定寄附金の範囲
 特定寄附金とは、次のいずれかに当てはまるものをいいます。
 ただし、学校の入学に関してするもの、寄附をした人に特別の利益が及ぶと認められるもの及び政治資金規正法に違反するものなどは、特定寄附金に該当しません。

(1)国、地方公共団体に対する寄附金

(2)公益社団法人、公益財団法人その他公益を目的とする事業を行う法人又は団体に対する寄附金のうち、次に掲げる要件を満たすと認められるものとして、財務大臣が指定したもの

 イ 広く一般に募集されること
 ロ 教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に寄与するための支出で緊急を要するものに充てられることが確実であること

(3)所得税法別表第一に掲げる法人その他特別の法律により設立された法人のうち、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして、所得税法施行令第217条で定めるものに対する当該法人の主たる目的である業務に関連する寄附金((1)及び(2)に該当するものを除きます。)
 なお、所得税法施行令第217条で定めるものとは、次の法人をいいます(以下、「特定公益増進法人」といいます。)。

 イ 独立行政法人
 ロ 地方独立行政法人のうち、一定の業務を主たる目的とするもの
 ハ 自動車安全運転センター、日本司法支援センター、日本私立学校振興・共済事業団及び日本赤十字社
 ニ 公益社団法人及び公益財団法人
 ホ 民法34条の規定により設立された法人のうち一定のもの及び科学技術の研究などを行う特定法人
  (注)旧民法法人の移行登記日の前日までに寄附した場合に限られます
 ヘ 私立学校法第3条に規定する学校法人で学校の設置若しくは学校及び専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの又は私立学校法第64条第4項の規定により設立された法人で専修学校若しくは各種学校の設置を主たる目的とするもの
 ト 社会福祉法人
 チ 更生保護法人

(4)特定公益信託のうち、その目的が教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与する一定のものの信託財産とするために支出した金銭

(5)政治活動に関する寄附金のうち、一定のもの

(6)認定特定非営利法人(いわゆる認定NPO法人)に対する寄附金のうち、一定のもの

(7)特定新規中小会社により発行される特定新規株式を払込みにより取得した場合の特定新規株式の取得に要した金額のうち一定の金額(1千万円を限度とします。)

(8)特定地域雇用等促進法人に対する寄附金のうち、一定のもの(平成25年11月30日までに支出するものに限ります。)

3 寄附金控除の控除額の計算方法
 次のいずれか低い金額 - 2千円= 寄附金控除額

 イ その年に支出した特定寄附金の額の合計額
 ロ その年の総所得金額等の40%相当額
 「総所得金額等」とは、純損失、雑損失、その他各種損失の繰越控除後の総所得金額、特別控除前の分離課税の長(短)期譲渡所得の金額、株式等に係る譲渡所得等の金額、上場株式等に係る配当所得の金額、先物取引に係る雑所得等の金額、山林所得金額及び退職所得金額の合計額をいいます。

4 適用を受けるための手続
 寄附金控除を受けるためには、寄附金控除に関する事項を記載した確定申告書に次の書類を添付するか、確定申告書を提出する際に提示する必要があります。

(1)寄附した団体などから交付を受けた領収書など

(2)(1)の領収書などのほか、次に掲げる書類

 イ 上記2(3)ロについては、地方独立行政法人法第6条第3項に規定する設立団体のその旨を証する書類の写しとして交付を受けたもの
 ロ 上記2(3)ホ及びへについては、特定公益増進法人である旨の証明書の写し
 ハ 上記2(4)については、特定公益信託であることの認定書の写し
 ニ 上記2(5)については、選挙管理委員会等の確認印のある「寄附金(税額)控除のための書類」
 (注)確定申告書を提出するときまでに、「寄附金(税額)控除のための書類」が間に合わない場合は、「寄附金の領収書(写)」を添付して申告し、後日「寄附金(税額)控除のための書類」の送付を受けた後、速やかに税務署に提出してください。
 ホ 上記2(7)については、(1)の領収証などに加え、以下の書類を添付する必要があります
 (イ)特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書
 (ロ)特定(新規)中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除明細書
 (ハ)経済産業大臣が発行した特定新規中小会社に該当するものであること等の一定の事実の確認書
 (ニ)特定新規中小会社が発行した個人投資家が一定の同族株主等に該当しない旨の確認書
 (ホ)特定新規中小会社から交付を受けた株式異動状況明細書
 (ヘ)投資契約書の写し
 ヘ 上記2(8)については、
 (イ)寄附金を受領した法人が特定地域雇用等促進法人に該当する旨を証する書類の写し
 (ロ)寄附をした者が、寄附をした日において認定地域再生計画に定められた区域内に住所(住所が無い場合は居所)を有する場合には住民票の写し、又は勤務先の所在地がある場合には在職証明書、事業所で事業を営んでいる場合には事業申述書

(所法78、120、所令217、217の2、262、所規47の2、措法41の18、41の18の2、41の18の3、41の19、措令26の27の2、26の28、26の28の2、26の28の3、措規19の10の2、19の11、平20改正所令附則13、平20改正法附則55、平22改正法附則1、2)

*要は、東日本大震災以外の災害についての義援金支出額も、日赤の義援金など、要件を満たす場合には、寄付金控除の対象になるということです。

*要件を満たす寄付金(特定寄付金。ただし、総所得金額等の4割が上限)から2千円を引いた額が、寄付金控除額となります。

*震災関連寄付金については特例があります。震災と一般災害の両方に義援金を支出した場合については、別記事で扱う予定です。