要支援と要介護の行き来

「2010年11月19日 第36回社会保障審議会介護保険部会議事録」より、またも独断抜粋。
これも、引用者が必要と思った箇所のみ抜き出していますので、誤解が生じる恐れはあります。
気になる方は、議事録の原文をご確認ください。
http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000zrx7.html

○木村委員
 そして、17ページの(8)の丸の3つ目でございますが、ここに記載されている「地域の実情に応じて柔軟に業務委託できるようにすべきである」に対して、桝田委員と結城委員は、居宅介護支援事業所に移すべきであるという意見がありましたが、私はまだその検証が終わっていないと思っておりまして、柔軟に8件の枠等々をうまく使って、要支援2と要介護1の行き来は、現場から聞いてもそんなに多くないと聞いています。ここはうまくつないでいくということをお願いしたいと思います。

○橋本委員
 11ページの1つの丸に、特に要支援1~2と非該当を行き来する人については云々とあります。そして木村委員は、要支援2と介護1を移動する人はそんなに多くないと御発言なさいましたけれども、私はそうは思っておりません。一次判定で支援2になったけれども、検討の結果、介護1になる、あるいは介護1であったけれども、支援2になる。実はそこはたくさんいらっしゃると私は認識しているし、予防給付の方も介護給付に移行していくという自然の成り行きもある。その方はそのときにケアマネジャーが変わらなければいけない。
 委託ができるようになっていれば、それでいいではないかという考え方もありますが、私は基本的に違うと思います。ケアマネジメントというのは、1人のケアマネジャー、生活を支える専門職が、変化する利用者の介護の度合い、援助の度合いによって、どのくらい生活の支えが必要かというのをアセスメントしてプランを作っていくわけであります。その動くことを前提に継続的包括的に行う援助として考えたときに、それは委託をするのではなくて、予防も介護もケアマネジメント、ケアプランを立てるのは、その専門機関である居宅介護支援事業所で行うことが妥当だと、私はそう考えております。

○木村委員
 今のお話ですけれども、多いとか少ないとか、ただ言ってもだめだと思いますので、うちの協会でデータをとって、要介護1~要支援2を行ったり来たり、それから委託で8件、元気になりそうな方は最初から委託してやるとか、そういう工夫を現場でどういうふうにしているかを出したいと思います。とりまとめには間に合わないかもしれませんけれども、データで議論したいと思いますので、そこだけです。


今さらですが・・・

厳密には、要介護(支援)認定がルールどおり行われているとすれば、
「要支援2~要介護1」(「要介護1相当」の中での移動)が多いのではなく、
「要支援1~要介護1」とか「要支援2~要介護2」という行き来の方が多いとは思います。

でも、ここでケアマネジメントの継続性が話題になっているのは、
「要支援2~要介護1」に限定した話ではなく、
予防給付と介護給付との間を行き来する(行き来させられる)人の存在についてです。

こういう深刻な問題(しかし国は知らぬ振りをしている)に目を向ける洞察力に欠ける方が、ケアマネ団体のトップとして審議会委員に入っているのですね。

それにしても、
「現場から聞いてもそんなに多くない」って、取り巻き(ブレーン)も・・・?

ところで、「協会でデータをとって」とおっしゃっていますが、その後どこかで公表されていますか?
ご存じの方がいらっしゃったら、教えてください。