新型ワクチンQ&A(その3)

4.妊婦について

(問1)妊婦に対してもワクチンを接種することができるのですか?催奇形性はないのですか?

 日本で使用されるインフルエンザワクチンは、生ワクチンではないので妊婦に対して特別に重篤な副作用は起こらないと考えられ、一般的に妊娠中の全ての時期において接種可能であるとされています。
 また、妊娠初期に従来のインフルエンザワクチンを接種しても奇形のリスクがないという研究結果もあります。
 なお、新型インフルエンザワクチンの複数回接種用のバイアル製剤(小瓶に注射液が充てんされている製剤)には季節性インフルエンザ用の製剤と同様にチメロサール等の保存剤が使用されています。今回の新型インフルエンザワクチンでは、プレフィルドシリンジ製剤(あらかじめ注射器に注射液が充てんされている製剤)には保存剤の添加は行われておらず、保存剤の添加されていないワクチン接種を希望する妊婦は、プレフィルドシリンジ製剤が使用できることとしています。(詳細は「4.妊婦について」問3をご参照ください)

参考:国立成育医療センターHP 「妊娠と薬情報センター」
    インフルエンザ薬に関する最新情報
    http://www.ncchd.go.jp/kusuri/index.html
  国立感染症研究所 感染症情報センターHP
   「インフルエンザQ&A(2008年度版)」④ワクチン接種
   http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAdoc04.html
  日本産科婦人科学会HP
   「妊娠している婦人もしくは授乳中の婦人に対しての 新型インフルエンザ(H1N1)感染に対する対応Q&A」
   一般向けhttp://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20090928a.html
   医療関係者向けhttp://www.jsog.or.jp/news/html/announce_20090928b.html


(問2)授乳中にインフルエンザワクチンを接種しても問題はありませんか?

 授乳期間中でも、インフルエンザワクチンを接種しても支障はありません。インフルエンザワクチンは不活化ワクチンというタイプで、病原性をなくしたウイルスの成分を用いているため、ウイルスが体内で増えることがなく、母乳を介してお子さんに影響を与えることはありません。

参考:国立感染症研究所 感染症情報センターHP
    「インフルエンザQ&A(2008年度版)」④ワクチン接種
    http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAdoc04.html


(問3)インフルエンザワクチンにチメロサールという添加剤が含まれているとのことですが安全ですか?チメロサールが入っていないものはないのですか?

 新型インフルエンザワクチンの複数回接種用のバイアル製剤(小瓶に注射液が充てんされている製剤)には季節性インフルエンザ用の製剤と同様にチメロサール等の保存剤が使用されています。
 チメロサールはエチル水銀に由来する防腐剤であり、メチル水銀とは異なります。海外で過去に発達障害との関連性が指摘されましたが、最近の疫学研究ではその関連はないとされており、一般的には接種によるベネフィットがリスクを上回ると考えられています。
 しかしながら、ワクチン全般において予防的な対応が大切であるとして、各国ともワクチンから除去・減量の努力を行っています。
 今回の新型インフルエンザワクチンでは、プレフィルドシリンジ製剤(あらかじめ注射器に注射液が充てんされている製剤)には保存剤の添加は行われておらず、保存剤の添加されていないワクチン接種を希望する妊婦は、プレフィルドシリンジ製剤が使用できることとしています。

参考:平成21年9月18日「新型インフルエンザワクチンに関する意見交換会」 資料4
   国立感染症研究所 感染症情報センターHP
    「インフルエンザQ&A(2008年度版)」④ワクチン接種
    http://idsc.nih.go.jp/disease/influenza/fluQA/QAdoc04.html


5.ワクチン優先接種対象者

(問1)新型インフルエンザワクチンの優先接種対象となるのはどのような人でしょうか?

 今回の新型インフルエンザに関しては、多くの方は軽症のまま回復している一方、基礎疾患を有する方等において重症化する可能性が高い、などの特徴があります。また、今回の新型インフルエンザの予防接種については、死亡者や重症者の発生をできる限り減らすことやそのために必要な医療を確保することを、その目的としています。 そのため、次に示すように死亡や重症化のリスクが高い方を優先すること、またその方々の治療に従事する医療従事者を優先することを基本的な方針としています。
(優先接種の対象者)
  ① インフルエンザ患者の診療に直接従事する医療従事者(救急隊員を含む)
  ② 妊婦及び基礎疾患を有する方
  ③ 1歳から小学校3年生に相当する年齢の小児
  ④ 1歳未満の小児の保護者、優先接種者のうち、予防接種が受けられない方の保護者等
(その他の対象者)
  ○小学校4年生から6年生、中学生、高校生に相当する年齢の者
  ○高齢者(65歳以上)

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(問2)優先接種対象ではない人は接種できないのですか?優先接種対象者は新型インフルエンザワクチンを接種しなくてはいけないのですか?

 優先的な接種対象者等については、新型インフルエンザに罹患した場合、重症化するリスクが高いと考えられるため、優先的に接種機会を提供することが必要であると考えています。これら以外の方々についても、優先接種が終了次第、希望者が接種を受けられるようにする必要はあると考えており、今後の流行の状況、接種の状況や供給量なども踏まえ、対応していきます。
 今回の新型インフルエンザワクチン接種については、あくまでも個人の意思が尊重されます。優先接種対象者についても、接種義務が生じるものではなく、該当する方のうち、希望者については接種を可能とするものです。

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