新型ワクチンQ&A(その4)

6.ワクチン接種事業について(流通、購入、値段、接種場所等)

(問1)今回の新型インフルエンザワクチンは日本国内でどれくらい確保できているのですか?

 今回の新型インフルエンザワクチンについては、国内産ワクチン・輸入ワクチンをあわせて約7700万人分(一人2回接種の場合)確保できる見込みです。
 国内産ワクチンは、10月下旬から接種できる見込みで、年度内は約2700万人分確保できる予定です。
 輸入ワクチンは、年末・年始にかけ接種が開始できる見込みで、年度内に約5000万人分確保できる予定です。


(問2)新型インフルエンザワクチンはいつ、どこで接種できますか?

 新型インフルエンザワクチンは、それぞれの優先接種対象者ごとに都道府県が設定した時期から接種を受けることができます。また、接種を受けることができる医療機関の名称等については、市町村のホームページをご覧下さい。


(問3)今回の新型インフルエンザワクチンはどれくらいの費用で接種できるのですか?

 今回の新型インフルエンザワクチンの接種費用については接種を受ける方に、実費をご負担いただくこととしており、1回目の接種は3600円、2回目の接種は2550円(ただし、2回目を異なる医療機関で接種を受けた場合は、基本的な健康状態等の確認が再度必要となるため、3600円)とすることとしています。
 ただし、所得の少ない世帯については、人口の約3割に当たる市町村民税非課税世帯の負担を軽減できる財源を確保しています。
 具体的な費用負担額については、今後、市町村が決定する予定としていますので、お住まいの市町村におたずねいただきたいと思います。


(問4)住民票と異なるところに長期滞在している場合に、現在地でのワクチン接種ができますか?

 今回のワクチンの接種は、国と接種等の契約を行った受託医療機関であれば、住民票と異なる地域の受託医療機関でも接種を受けられます。
 ただし、低所得者等に対する接種費用の負担軽減措置については、住民票のある市町村と相談する必要があります。


(問5)重篤な副反応が生じた場合、医師が責任をとるのですか?

 今回の新型インフルエンザワクチン接種に伴い、予防接種を受けた方に健康被害が発生した場合の救済については、現行の予防接種法に基づく季節性インフルエンザの定期接種に関する措置を踏まえて必要な救済措置を講じることができるよう検討を行い、速やかに立法措置を講じることができるよう準備を進められているところです。
 なお、今回の新型インフルエンザワクチン接種は、国が主体となり実施するものですので、ワクチンの接種によって、被接種者の生命又は身体に損害が生じたときは、国家賠償法の範囲内で、国が賠償責任を負うこととなります。


(問6)受託医療機関ではない医療機関の入院患者は接種できないのですか?

 受託医療機関ではない医療機関は、国の事業としてワクチンを接種できないので、これらの医療機関の入院患者が接種を受けるときは、優先接種対象者証明書に基づき他の受託医療機関の医師から接種を受けることとなります。


7.海外産ワクチンについて

(問1)海外産と国内産は何が異なるのですか?

 海外で製造されたワクチンについては、①現時点では国内での使用経験・実績(臨床試験を除く)がないこと、②国内では使用経験のないアジュバント(免疫補助剤)が使用されていること、③国内では使用経験のない細胞株を用いた細胞培養による製造法(国内産は鶏卵による培養)が用いられているものがあること、④投与経路が筋肉内(国内産は皮下)であること、⑤小児に対しては用量が異なることなど、国内で製造されたワクチンとは異なっています。

アジュバント(免疫補助剤):ワクチンと混合して投与することにより、目的とする免疫応答を増強する物質。これにより、同じワクチン量でもより多くの者への接種が可能となる。一般的に、副反応の発生する確率が高いことが指摘されている。

※細胞培養:ワクチンの製造方法の一種。鶏卵による培養よりも、生産効率は高いとされるが、インフルエンザワクチンではこれまで世界で広く使用されるには至っていない。また、一部の海外のワクチンについては、製造に使用される細胞に、がん原性は認められないものの、腫瘍原性があるとされており、使用等にあたっては、特に慎重を期すべきとの懸念も専門家から示されている。


(問2)海外産ワクチンはどのような手続きを経て輸入ができるようになるのですか?また、海外産ワクチンの安全性はどのように確認されますか?

 重症者の発生などの健康被害を防止するためには、国内産のワクチンだけでは十分な供給量とは言い難いので、健康危機管理の観点から海外産を緊急に輸入し、一定量のワクチンを確保することとしています。
 海外産が輸入できるようになるためには、わが国の薬事承認を得る必要がありますが、通常の手続きに従って、薬事承認を得るとすると、今年の秋・冬の流行までの輸入が間に合わなくなります。そこで、特例的に、通常の承認の要件を緩和して、緊急に承認を与える「特例承認」の適用が検討されています。
 特例承認を適用する場合であっても、
 ア わが国と同等の承認制度を有する国で承認されているワクチンであることを前提とし、
 イ 薬事食品衛生審議会において、海外臨床試験成績や国内臨床試験の中間報告などの資料を十分確認するなどの対応を講じます。
 また、特例的な承認後も、国内外の安全性情報等の速やかな収集に努めます。

                                                              以上