入浴の回数

暑くなってきました。
雨などで気温がそれほど上がらない日も、湿度が高くて不快だったりします。
あなたは、週に何回入浴しますか(シャワーのみの場合も含みます)。
毎日?

 

さて、ネット上某所の情報ですが、「週3回の入浴は正しい給付ではない」という自治体があるようです。
在宅の要介護者が週3回(通所サービスで2回、訪問介護で1回)入浴するケアプランに対して、それは多すぎる、本人の希望だけではダメ、どうしても週3回必要ならその理由を示しなさい、というような指導とか。

 

え? 夏場は3回では少なすぎる、という指導ではないの?
(それはそれで、利用者本人や事業者の人員などの条件で、一律に増やすというのは無理だったりしますが。)

 

念のため。介護保険関係の法令、通知、Q&Aの類で、居宅サービス計画(ケアプラン)上、入浴は週2回が上限(あるいは標準)というような規定はないはずです。

 

あえて推測すれば、施設サービス関係(介護老人福祉施設)の基準省令。

<指定介護老人福祉施設は、1週間に2回以上、適切な方法により、入所者を入浴させ、又は清しきしなければならない。>

ちなみに、冒頭の「指定介護老人福祉施設」を「特別養護老人ホーム」に変えれば、特養の省令にも同趣旨の条文が見つかります。

 

で、これ、「1週間に2回以上」なんですよね。
「2回が上限」ではありません。

 

さらに、この省令の解釈通知(平成12年老企第43号「指定介護老人福祉施設の人員、設備及び運営に関する基準について」)には、冒頭の方にこうあります。

 

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第一 基準省令の性格

1 基準省令は、指定介護老人福祉施設がその目的を達成するために必要な最低限度の基準を定めたものであり、指定介護老人福祉施設は、常にその運営の向上に努めなければならないこと。
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「必要な最低限度の基準」なんですよ、週2回以上というのは。
「常にその運営の向上に努めなければならない」のに、最低限度に固定してどうする?

そもそも、施設サービスの最低基準を、そのまま居宅サービスに類推適用することが適切か、という問題はあるのですが、類推適用するなら「以上」とか「最低限度の基準」というあたりも、きちんと持って行かなきゃ。

 

今回のケース、仮に事業者側が「週2回の提供がやっとで、3回目は難しい」というのなら、まだわかります。
たとえば、今春の報酬改定で、訪問介護の基本報酬などが(この物価高騰の世の中なのに)まさかの引き下げで、経営も人員確保も思うに任せない、というような状況なら。
それは事業者というよりも、報酬を引き下げた厚生労働省が悪いのでしょうから。

 

しかしながら、自治体側が在宅サービスで「週2回」と限定するのは、メチャクチャですな。
ケアマネ側から直接言いにくかったら(いや、言ったらいいのですが)、事業者団体とか、ケアマネ団体(評判が悪いらしい全国組織に入っているかどうかにかかわらず)とかを通じて交渉するとか、直接、都道府県や国の見解を確認してみるとか、いろいろ戦い方はあるだろうと思います。

 

そういえば、昔「法令を逸脱する自治体職員たち」という駄文を書いたことがあったなあ。
https://to403.web.fc2.com/dabun/shousuu.html