海外短評

戦争犯罪「無効」印象付け プーチン氏、ICC加盟モンゴル訪問 ノモンハン85年で日本けん制
時事通信 9/3(火) 15:40配信

 ロシアのプーチン大統領は3日、公式訪問したモンゴルの首都ウランバートルでフレルスフ大統領と会談し、ソ連時代からの友好関係と包括的戦略パートナーシップの強化で一致した。

 ウクライナ侵攻で日本を含む西側諸国から制裁を受ける中、孤立回避をアピール。プーチン氏には「戦争犯罪」で国際刑事裁判所ICC)の逮捕状が出ているが、ICC加盟国モンゴルに拘束させないことで「無効」と印象付ける狙いもあるもようだ。

 1939年に当時の満州国(現中国東北部)とモンゴルの国境で日本軍とソ連軍が衝突した「ノモンハン事件」から85年に合わせ、3日は「対日戦勝」記念式典に出席し、ロシアとモンゴルの「血の結束」を誇示。訪問は5年ぶりで、ウクライナ侵攻開始後初となった。

 プーチン氏は訪問前、現地紙のインタビューでノモンハン事件について「モンゴルの自由と独立のための戦い」と表現しており、会談後の共同記者発表では「ソ連軍の1万人以上が命をささげた」と指摘した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/71a94e617385c7e2c8d812ef81d176705c59fd2d


ノモンハン事件の関連行事でモンゴルを訪問したロシアのプーチン大統領を、ICC加盟国であるモンゴルが逮捕しなかったことについて批判はあるでしょう。

ですが、プーチン氏の逮捕は、モンゴルにとっては無理というもの。

 

以下、順不同で。

1)プーチン氏を逮捕したら、ロシア国内にいるモンゴル人が、難癖をつけられて逮捕・拘束される可能性が大。
2)そのうちの「適任者」(若い男性など)は、ウクライナ国内に送られ、「ロシア兵」として危険な線上に投入される可能性もある。
3)すぐにモンゴルが軍事侵攻を受けないにしても、エネルギー供給などについて経済制裁は行われる可能性が高い。
4)逮捕した場合、そのプーチン氏をモンゴル国外に移送することは困難。モンゴルはロシアと中国とに囲まれていて、空路でロシア領空に入ったら、戦闘機の編隊に囲まれ、着陸を命じられるだろう。
5)中国の領空に入ったとしても、ロシアの意を受けた中国軍が同様のことをしない保証はない。

まだしも現実的なのは、(南アフリカのように)プーチン氏の逮捕の可能性を伝えて入国を拒否する、という方法ですが、これはノモンハン事件についてのモンゴル等の歴史的認識なども含めて、モンゴル政府が判断すること(国民レベルでは、現在のロシアに対する反感はありそうですが)。

 


ロシアの国立研究機関が独自調査で処理水「懸念なし」報告書
NHK 2024年9月5日 21時05分
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240905/k10014573291000.html


当然の報告ではありますが、中国側の対応よりはマトモ。

 


中国の不透明な司法と過度なスパイ対策、投資も留学生も激減 拘束されたアステラス製薬社員、コロナ起源めぐり刺激したか
ZAKZAK 2024.3/25 11:00
https://www.zakzak.co.jp/article/20240325-PBX37VOPKFMSLLXWEWZPKKX5D4/

(抜粋)

男性はアステラスの現地法人幹部を務め、中国滞在歴が計20年超のベテラン駐在員。中国の国有企業や政府関係者に幅広い人脈を持っていた。
知人によると、男性は拘束前、新型コロナウイルスの起源やワクチンに関心を持ち、中国側に対しても積極的に発言していたとされる。日本政府内では、コロナ起源を巡り米国との対立を深めていた中国を刺激したとの見方も浮上する。
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なるほど。
起訴について報じられたときは、理由の見当がつかなかったのですが、
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2024/08/26/211443

3月にこういう報道があったのですね。
「見方も浮上する」なので、断定はできませんが、中国ならありそうなこと。

 

ということは、やはり中国側に後ろめたいことがあったのか。