「ウクライナはロシアだ」と明言 メドベージェフ前大統領
共同通信 3/4(月) 21:45配信
ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は4日、「ウクライナは言うまでもなくロシアだ」と述べ、ゼレンスキー政権を無条件降伏させるまで侵攻作戦を続けると述べた。ロシア通信が伝えた。
各国の若者を集めてロシア南部ソチで開かれているフォーラムに参加したメドベージェフ氏は「ドニエプル川の両岸とも、分かつことのできないロシアの戦略的・歴史的国境の一部だ。これを力ずくで変更する試みは粉砕される」と主張。現在ロシアが制圧している東部・南部4州にとどまらず、ウクライナ全体を支配下に置く必要があるとの考えを示唆した。
さらに「われわれは自らの領土を決して放棄しない」と強調。ゼレンスキー政権に代わる新たな政権と外交交渉に入っても、一方的に併合を宣言した4州などは返還しない考えを示した。(共同)
https://news.yahoo.co.jp/articles/24c7e2123e1b1c85b1c8381d222dde22cc6f3883
メドベージェフ氏といえば、「北海道はロシアに権利がある」云々の発言もあり、マトモに取り上げるのはどうかという意見があるかもしれません。
しかしながら、このロシアという国で、プーチン氏の指示あるいは容認もなく、このような発言がなされるとも思えないので、むしろ北海道に対してもロシアは野心の対象にしていると考えた方がよいでしょう。
(現時点での実現性は別ですが。)
で、ドニエプル川(ウクライナ語風ではドニプロ川)はどう流れているかといえば・・・
防衛省ウェブサイトの資料をベースにして、ドニプロ川を太めに強調してみました。
ごちゃごちゃはしていますが、右岸側はもちろん、左岸側も南部以外はウクライナ支配地域がかなりありますね。
これで「分かつことのできないロシアの戦略的・歴史的国境の一部」と主張するのは、「盗人猛々しい」だけでなく、思考回路のどこかに致命的なバグがあるか、そもそも論理的な思考を放棄しているか、お飾りとはいえ「大国の国家元首」に就任していた人物とは思えません。
西側諸国がウクライナ支援を打ち切って、停戦交渉(実態は無条件降伏に近いでしょう)に応じるように仕向けるべき、というような主張をしている参議院議員がいますが、こんな発言をさせているプーチン氏の停戦交渉を、あなたは信じられますか?
そもそも、ウクライナ側が停戦交渉に対して懐疑的な方向に態度を変えたのは、ブチャ虐殺などロシア軍の甚だしい戦争犯罪行為が明らかになった頃からです。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2023/12/13/211351
幼女レイプというのもありました。くだんの参議院議員氏などは全然触れようとしていませんが。
前の記事にも書いたように、ロシアは帝国時代から対外侵略を繰り広げ、それを棚に上げて自分たちの最大勢力圏から(平和裏に、というか戦争以外の手段で)後退したことに対して異様な不満を抱いているようです。その時点での国のトップが承諾しているにもかかわらず。
そういう、守銭奴ならぬ「守地奴」とでもいうべき性向は、理解しておく必要はありますが、許容しなければならない義務は国際社会の側にはありません。
ところで、冒頭のメドベージェフ発言ですが、これは「自白」ですかね?
「ウクライナはロシアだから武力侵攻した」って主張しているんでしょ?
ウクライナがネオナチだ、とか、NATO加盟を要望した、とか、ロシア系住民を迫害した、とか、ミンスク合意に違反した、とか、いろいろ口実を主張しようが、そんなものは全て言い掛かりであって、本当の理由は「ウクライナはロシアだ」という領土欲だということですね。