プーチン氏を呼んでも来ないよ

鈴木宗男氏 「ゼレンスキーだけ呼んでどうする」松山千春と同じ主張で「流石と思わせる松山さんの考え」
スポニチアネックス 5/20(土) 20:35配信

 ロシア通で知られる日本維新の会鈴木宗男参院議員(75)が20日、自身のブログを更新。ウクライナとロシアの紛争について「即時停戦」を訴えた。

 鈴木氏は19日に行われた歌手・松山千春のコンサートを「元気一杯で気合の入ったファンの皆さんと一体となっての見事なものだった」と回想し、そのコンサートの中で、ウクライナ問題に触れた松山についても言及。「話し合い、停戦することだ」と強調した松山の談話を紹介した。

 「殺し合いをやめらせるのが政治でないか。武器を送ったら犠牲者が出るだけだ。その武器、おまけに戦闘機までくれというゼレンスキーは間違っている。喧嘩が始まったら誰かが仲裁に入り、早く終わらせるしかない。G7というならそこにプーチン大統領、ゼレンスキー大統領両方呼んで、我々が立会人、保証人になるから両方の言い分も聞くから先ずは銃を置けと呼びかけるべきではないか。ゼレンスキーだけ呼んでどうする」

 松山の主張に対し、鈴木氏は「流石と思わせる松山さんの考えである。私の主張、訴えと同じであり、意を強くした次第だ」とつづった。

 ウクライナのゼレンスキー大統領は20日午後、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)に参加するためフランス政府専用機で広島空港に到着。ロシアから侵攻を受けるウクライナは大規模な反転攻勢を準備しており、ゼレンスキー氏は今月欧州各国や中東を回って支援を要請。G7首脳が集う日本訪問は、対ロシアで国際社会の後ろ盾強化を図る外交の総仕上げとみられている。

 鈴木氏は、集まった支援者からの意見に対して、「G7の首脳がロシアを批難するより『一にも二にも停戦だ。我々が仲に入るから双方銃を置け』と言うべきではないでしょうか。武器供与、資金援助したら戦争が長引くだけです。子供、女性、お年寄り、それぞれ世界でたった一つの命です。何故命を守ることを考えないのでしょうか」という意見も掲載していた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e03ad8a834630c84a2ad8c3ffa797b039d77b2d7

 


これ、あくまで鈴木宗男氏のブログの記載に基づいての記事ですね。
松山千春氏のコンサートを取材した記者が書いた記事ではありません。
松山氏は、昨年はこんなことを言っています。

 


松山千春ウクライナ侵攻のロシアを批判「プーチン大統領許せない」
サンスポ 2022/05/13 05:00

デビュー45周年を迎えたシンガー・ソングライター松山千春(66)が12日、東京・丸の内の東京国際フォーラムで全国ツアーの東京公演を行い、ウクライナに軍事侵攻するロシアを切り捨てた。

プーチン大統領は許せないな」と切り出すと、ゲスト出演したウクライナの歌姫で民族楽器、バンドゥーラの奏者、カテリーナを紹介。彼女が第2国歌「ウクライナ」と「翼をください」を弾き語り、母国の現状について「何も悪いことをしていない子供たちが殺されている」と訴えると、松山も「人の将来、未来を奪うのは一番いけない」と批判した。
(以下略)
https://www.sanspo.com/article/20220513-PKFU5NXAAFOBHPJIYP3S422OPA/


松山千春が秋のツアーファイナルを完走 ロシアのウクライナ侵攻に「絶対許せない」
東スポWEB 2022年12月22日 21:00
(略)今年1年を振り返り、最もショックだったのがロシアによるウクライナ侵攻だったともいう。「たった1人の権力者、プーチン大統領の蛮行によって、多くの犠牲者が出ている。考えられないこと。絶対に許すことはできない」と心境を語った。その上で「もう侵攻が始まってから300日を超えてしまったが、ウクライナのは何としても祖国を守ってほしいと思う反面、これからの寒さの中で大変だとは思うが、頑張って生き抜いていってもらいたい」とエールも送った。
(以下略)
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/248922

 


ということで、今年の5月19日のコンサートで、ウクライナについて言及した可能性はありますが、鈴木氏がブログに書いたようなニュアンスのような発言だったかどうかはわかりません。
鈴木氏は、たとえばブダペスト覚書の件でも虚偽の主張を繰り返していますし(https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2023/05/06/161923)、松山氏の真意を、鈴木氏のブログだけで判断するのはフェアではないとは思います。

 

ただ、今回のG7首脳会合についてなら、仮にプーチン氏を招待したとしても、彼が応じることはなかったでしょう。
理由は大きく2点。

 

1)プーチン氏は臆病だから。
 ウクライナの児童誘拐などの件で国際刑事裁判所ICC)に逮捕状が出ていますから、加盟国に彼が入国すれば、法的には逮捕義務が発生します。
 G7では、米国以外の6か国が加盟国です。親露的な南アフリカでも逮捕義務を尊重するような報道がありましたから、日本が仮に特例で安全を保証したとしても(するかどうかわかりませんが)、プーチン氏が恐れて入国しないことは確実です。
 それでなくても、同じ外観の執務室をロシア国内に複数作ったり、やたら暗殺を恐れている臆病なプーチン氏が、米国を含めてG7の領域に入ることは考えられません。

 

2)プーチン氏が望むような停戦条件が期待できないから
 ウクライナ侵略の初期には、トルコなど第三国が、ゼレンスキー氏との直接対面を含めて交渉の呼びかけをしましたが、ロシア側に有利な条件となる目処が立たない限りは「今はその時期ではない」などとプーチン氏は拒否していました。
 現状、その初期段階よりも、ロシア側の有利な状況にはなっていませんが、少なくともクリミアからウクライナ東南部を通ってロシアまでの黒海沿いの回廊が確保されない限りは、プーチン氏は交渉に応じる気がありません。


 「先ずは銃を置け」という呼びかけに応じる気がないことも、鈴木氏の訪露打診がうまくいかなかった理由のひとつかもしれません。