侵略開始前後の読売記事2

2022/02/20
 各国首脳らが外交懸案を討議するミュンヘン安全保障会議は20日、閉幕した。主要議題となったウクライナ情勢では、欧米諸国がロシアの侵攻阻止に向けた結束を強調する場になったが、ロシアの欠席で議論は深まりを欠き、危機回避の道筋を示すには至らなかった。
(略)当のロシアは慣例を破り、欠席した。「主役不在」で議論が進む中、ロシアは軍事演習を続け、ウクライナ東部では戦闘が過熱した。(以下略)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220220-OYT1T50143/

 

※鈴木氏が「ブタペスト覚書の再協議等、挑発したのはゼレンスキーではないですか」と(国家元首に対する敬称もつけずに)批判しているのは、このミュンヘン安全保障会議でのゼレンスキー氏の発言のことでしょう。ブダペスト覚書に違反したのは2014年のロシアの方だということは、これまで私は何度も書いていますが、仮にロシア側に不満があったとしても、このミュンヘンの会議に出席して反論すればよい話。言論に対して軍事侵略を行うということを肯定するとは、鈴木氏は本当に日本国憲法下の国会議員なのでしょうか?

 

2022/02/23
 ロシアのプーチン大統領は21日、ウクライナ東部の親露派武装集団が実効支配する地域を独立国家として一方的に承認する大統領令に署名した。国防省に「平和維持」名目で派兵を指示し、この地域での軍事基地建設を可能にする協定にも署名した。すでに部隊が親露派支配地域に入り始めたとの情報もある。(以下略)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220222-OYT1T50213/

 

2022/02/24
 ロシアのプーチン大統領は22日、ウクライナ東部の親露派支配地域での露軍の活動許可を露上院に要請し。上院は即日、承認した。(以下略)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220223-OYT1T50131/

 

2022/02/24
 ロシアのプーチン大統領は24日午前6時(日本時間24日正午)頃、露国営テレビを通じて緊急演説し、ウクライナで「軍の特殊作戦を実施する」と表明した。露軍は直後からウクライナ各地へ攻撃を始め、米欧は全面的な侵攻を強く非難している。
 ウクライナ政府によると、露軍は24日午前、親露派武装集団が一部を実効支配しているウクライナ東部のルガンスク州ドネツク州のほか、ベラルーシと国境を接する北部、南側の黒海からも侵攻を開始した。(略)
https://www.yomiuri.co.jp/world/20220224-OYT1T50246/

 

※仮に2月19日のゼレンスキー氏の発言で軍事侵攻を決断したのなら、わずか5日後の24日早朝から大軍(物資の補給だけでも大変!)を動かすことは困難です。ずっと前から侵攻を決めていたと考えるのが、軍事上の常識でしょう。

 

2022/03/09
露「自衛権」薄い根拠 東部「集団殺害」立証を放棄(見出し)
<ロシアはウクライナ東部の親露派住民に対する「ジェノサイド(集団殺害)」を理由に集団的自衛権を行使したと強弁するが、証拠も示さず法廷での立証さえ放棄した。>等の記事。

 

2022/04/04
露軍住民殺害 組織的か キーウ近郊ブチャ(見出し)

 

2022/04-09
 ロシア軍による民間人の虐殺疑惑が浮上し、ロシアとウクライナの停戦協議を巡る歩み寄りの機運が後退している。
 露外務省によると、セルゲイ・ラブノフ外相は7日の声明で、ウクライナから6日に新たな提案を受理したと明らかにし、これを拒否する姿勢を示した。(略)
 ロシア側が特に問題視したのは、ウクライナ側が南部クリミアの地位について「15年かけて協議する」とした、3月下旬の協議で提示した方針を撤回した点だ。(以下略)

 

※鈴木氏がいう「4月15日」というのがウクライナからの提案日か取下げ日か、「ロシアがサインしようとした日」かわかりにくい表現ですが、この記事を読むと、ブチャの虐殺等がなければ、ウクライナ側も柔軟に対応していた可能性はあるように思えます。戦争犯罪連発の国を信頼して交渉することは困難、という判断になるのも理解できますから。もっとも、ロシア側がサインしようとしていたというのは(読売新聞以外を含めて)見た記憶がないし、鈴木氏以外に主張している人にも心当たりがありません。ウクライナ側が強硬になるようにロシア側が虐殺等で挑発した、という可能性ならありますが。