裏金で官僚に飲食させたか

けさ(1月22日)の読売新聞「裏金 悪弊の果て」というシリーズの記事より。

 

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 自民党安倍派の政治資金パーティーの収入を巡り、同派からキックバック(還流)を受けた<引用者注:略式起訴されている>谷川弥一衆院議員(82)。関係者は、裏金化された還流資金の一部は世間で批判を浴びやすい高額な飲食費などに充てられたと証言する。
 その一つが、官僚たちとの会食だった。各省庁のキーマンを押さえ、パイプを作っておけば、地元の陳情を通しやすくなる。
 長崎県の離島・五島市出身で離島の振興に力を入れていたこともあり、相手は農林水産省国土交通省総務省など多方面にわたった。「飲ませ食わせして、いわゆる窓口的なものを作っていた」。関係者はそう明かす。
 高級料亭や、2次会として女性が接待する飲食店を利用することもあった。マスコミや市民団体から批判されることを懸念し、領収書が不要な還流資金を使い、政治資金収支報告書には記載しなかったという。
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介護保険制度などでは離島と縁が深い中山間地等については、私もつきあいが長いので、離島の振興に力を入れていた、ということ自体は理解できますが、それでもねえ・・・

また、在宅起訴された大野泰正参院議員(64)についても記されています。

 

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 自民党の同僚議員は大野被告から「国土交通省の官僚たちにこまめに食事をごちそうしている」と聞いた。
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他にもいろいろ書かれていますが、「裏金」を何に使うのかと思っていたら、こういう飲食に(も?)使っていたのですね。
(注:取材源は匿名のようですが、現時点で関係者から読売新聞に抗議したという情報がないので、この記事は事実に基づいているという前提で話を進めます。)

 

政治資金規正法に基づく事務処理がなされていない収入は脱税」というのが私の考えですが
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2023/12/10/143124

それだけでなく、常習的に官僚に飲食提供(しかも、高級料亭や女性が接待する店<って、どこでしょう?>で)ということは、贈収賄事件に発展する可能性もあるから、国交省農水省なども調べていただきたいところです。

 

まあ、団塊の世代やそのさらに上の世代は知りませんが、今の現役の国家公務員全てが、こういう接待で喜ぶとは思いにくいし、少なくとも若い世代については、職場飲み会すら消極的な人間が(官民問わず)増えてきているだろうとは思いますが。
高級料理やおねえさんの接待よりも、たまには定時に帰宅して(起きていいる)子どもの顔を見たいとか、デートしたいとかいう職員も少なくないのでは?

 

国会議員が省庁の職員と接触するな、とまでは主張しません。
レクチャー、勉強会等は、昼間、正規の勤務時間中に、会議室等で行えばいいでしょう。
オンラインでやってもいいぐらいです。

 

飲食をともにしないと人間関係が築けない?
そんなこという政治家は、「自分は能力不足」って公言しているようなものです。

 

自分が所掌する事務の執行に必要なことだったら、仮に初対面の議員からの依頼であったとしても、公務員は適切に対応します。
国家公務員だけでなく、地方公務員も同様です。

 

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国家公務員法第96条第1項 すべて職員は、国民全体の奉仕者として、公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。

地方公務員法第30条 すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、且つ、職務の遂行に当つては、全力を挙げてこれに専念しなければならない。
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こういう理念が理解できない政治家は、どうぞ引退してください。
能登半島地震への対応、被災地への応援、応援に派遣された同僚のカバー、公務員職場は特に忙しくなりますので、せめて邪魔しないでください。