エネルギーのロシア依存度

本日(12月8日)の読売新聞の、別の記事の話です。

 

[スキャナー]COP基金に途上国不満、温暖化の「損害」救済に

 

↑これは、ネット上では一般公開されていない記事ですが・・・

以前に天然ガスLNG)と石油のロシア依存度について、鈴木宗男氏が間違った計算をしていることを紹介した件に関連します。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2023/08/21/224953

 

鈴木宗男氏の2023年8月21日のブログより>
 現在、天然ガスはオーストラリアから35.8%、マレーシアから13.6%、カタールから12.1%、アメリカから9.5%、ロシアから8.8%輸入している。
 石油はサウジアラビアから40%、UAEアラブ首長国連邦)34.8%、クウェート8.5%、カタール7.4%、ロシア3.7%である。
 ロシアからのエネルギーの占める割合は1割を超える。
<引用ここまで>**********

 

このLNG8.8%+石油3.7%=12.5% として「1割を超える」というのは、もちろん間違った計算です。
ただ、このときはLNGや石油の割合が不明だったので、実際にロシア依存度がどれぐらいかは計算できませんでした。

しかし、前述の読売新聞「スキャナー」に、2022年度の電源構成割合が掲載されていました。

 


「石油など」という表記ですが、便宜上、全て石油だったとして計算します。
また、前回同様、経産省のデータに基づき、石油のロシアの割合は3.6%とします(鈴木氏は3.7%としていますが)。

1)まず、LNGと石油の計のみで計算すると、

(LNG33.7×露分8.8%+石油8.2×露分3.6%)/(33.7+8.2)=7.8(%)

2)また、他の電源も含めて計算してみると、

(LNG33.7×露分8.8%+石油8.2×露分3.6%)/(100.0+100.0)=1.6(%)

となります。


2の方が実態に近いとは思いますが、発電以外のエネルギー消費(LNGを直接燃やすなど)もあるので、2よりはいくらか高くなる可能性があります。

まあ、2%ぐらいでしょうか。
少なくとも、四捨五入したとしても1割(10%)にはとても届かないレベルだろうと考えられます。

 

でも、今の国際状況で、数パーセントといえども小さい数字ではない、という主張はできないこともありません。
だから、きちっと計算したうえで、対露の重要性を主張するのなら、それはそれでアリだと思います(賛同はしませんが)。
それを、
LNG8.8%+石油3.7%=12.5% として「1割を超える」
などという、小学生にも笑われかねないことをブログに書くから、よけいに信用を落とすのだろうと思います。