ロシア情報あれこれ

プーチン氏、クリミア橋への攻撃は「テロ」
CNN.co.jp 7/18(火) 12:30配信

(CNN) ロシアのプーチン大統領は17日、ケルチ橋(クリミア橋)に対するウクライナの攻撃を「テロ攻撃」と呼んだ。この橋は「併合」されたクリミア半島とロシア本土を結んでおり、ロシアによるウクライナでの戦争では重要な補給路となっている。

プーチン氏は当局者との会合で、「今夜また、橋に対してテロ攻撃が行われた」と述べた。橋に対するテロ攻撃によって、橋の一部が深刻な被害を受けたため、自動車と鉄道の運行が一時的に停止したという。

プーチン氏は、ロシア連邦保安局(FSB)などの当局に対して、事件の捜査を指示したほか、将来の攻撃から「戦略的に重要な輸送施設」を守るための対策を求めた。

プーチン氏は、橋の攻撃に対して、ロシアからの報復があると述べた。国防省が関連する提案を準備しているという。

プーチン氏は橋への攻撃には軍事的な意味はないと主張した。プーチン氏は、橋が軍の輸送には長い間使われていないほか、罪のない民間人も殺害されたことから、今回の橋への攻撃について、無分別な犯罪だとの見方を示した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e8f5d40fb939843d9168c64efde473e9143a2055

 

「軍事的な意味はない」「橋が軍の輸送には長い間使われていない」という主張は、<将来の攻撃から「戦略的に重要な輸送施設」を守るため>との言い訳から見ても虚偽なのでしょう。

なお、以前に書いたように、この橋は国際的には違法構造物で、かつ侵略を受けたウクライナ側が侵略者側の補給路を攻撃したものですから、戦争犯罪でもテロでもありません。
https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2022/10/13/220413

 

民間人の死亡は遺憾(この言葉は便利だ)ですが・・・

 

ロシア旅行会社、クリミア訪問を中止しないよう呼び掛け 橋への攻撃受け
CNN.co.jp 7/19(水) 11:15配信
https://news.yahoo.co.jp/articles/364fd7a8b96cd04b8de9eae8597682781f9004bf

 

という呼び掛けは、ロシア政府や軍の了承(というより要請か命令)なしに行っているとは考えられず、民間人を危険な場所に送り込んでいるロシア政府等の責任は重いでしょう。
なお、多数の本当に「罪のない民間人」をウクライナで殺害しているのはロシア軍(ワグネルなどを含む)の方です。


黒海を通る船舶にロシアが警告「軍事物資を積んでいるとみなす」
日テレNEWS 7/20(木) 6:42配信

ウクライナ穀物輸出に関する合意を停止したロシアは、黒海を通りウクライナの港に向かう船舶は軍事物資を積んでいるとみなすと発表しました。

ロシア国防省は、20日から黒海を通りウクライナの港に向かう船についてはすべて軍事物資を積んでいる可能性があるとみなすと発表しました。攻撃対象になりうると示唆した形です。

ロシアは17日にウクライナ穀物輸出に関する合意を停止し、その後、2日連続で穀物輸送の中継地でもある南部のオデーサを攻撃しました。ウクライナ側は、穀物の関連施設も被害を受けたとしています。

こうした中、クリミア半島にあるロシア軍の訓練場では火災と爆発が起き、2000人以上に避難が呼びかけられました。ウクライナによる攻撃なのかどうかなど詳しいことは明らかになっていません。
https://news.yahoo.co.jp/articles/25a1a370c15f2da071560b61174b0219e1333f47


これ、「みなす」といっても、国際法的に意味はありません(でも法的にどうであれ、殺されるのは嫌ですが)。
なお、ロシアの穀物輸出は、むしろ増加しているという情報もあります(たとえばNHK7月18日)。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230718/k10014134091000.html

となると、食糧輸出の問題というよりも、その他の物品、特に兵器製造にも使える高度な工業製品等が入ってこないことなどで相当に困っているのかもしれません。


プーチン大統領は明らかに苦境にある」 イギリスの秘密情報機関MI6トップ  演説で見方示す
FNNプライムオンライン 7/20(木) 12:18配信

イギリスの情報機関トップが「プーチン大統領は明らかに苦境にある」という見方を示した。

イギリスの秘密情報機関:MI6のリチャード・ムーア長官は19日、チェコの首都プラハで演説を行った。

その中で6月、ロシア国内で起こった民間軍事会社ワグネルによる武装反乱について触れ、「不安定な独裁政治に避けられない衰退が露呈した」と述べ、ロシアのプーチン大統領は明らかに苦境にあるとの見方を示した。

一方、ウクライナによる反転攻勢は順調に進んでいる、と述べた。

またムーア長官は、ウクライナ侵攻に不満を持つロシア人に対して、「私たちに協力してほしい。我々のドアはいつでも開いている」と述べ、スパイ活動への参加を呼びかけた。
https://news.yahoo.co.jp/articles/eb93bf9122f6a99d14eb1f1e1a7997542d3bda12


MI6などの主張も、どれぐらい正確なのかは私にはわかりません。
プーチン氏が苦境かどうか、それがどの程度の苦境かなのかも。
ただ、これらの記事(↓この下の記事を含む)を読み合わせると、プーチン氏側は、かなり焦っているようには見えます。

 

プリゴジン氏、ベラルーシで演説 またロシア国防省批判
時事通信 7/20(木) 1:09配信

 ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者プリゴジン氏が、出国先のベラルーシで演説したとされる動画が19日、通信アプリ「テレグラム」に投稿された。

 同氏は「(ウクライナの)前線における今の出来事は恥ずべきであり、われわれは参加する必要はない」と発言。「出来事」とは、ウクライナの反転攻勢を受ける中でのロシア軍・国防省の混乱を指すとみられ、これまでと同様の批判を繰り返した。

 プリゴジン氏は6月23~24日に反乱を起こした後、同26日と今月3日に音声メッセージを出したが、所在は明らかにしていなかった。ベラルーシ東部に拠点を移したワグネル戦闘員を前に演説する様子が伝えられるのは初。出国は反乱で免責を受けるための条件だが、プリゴジン氏はロシアとの間を行き来しているもようだ。

 プリゴジン氏は演説で、ウクライナにおけるワグネルの貢献をたたえた上で、ロシア軍・国防省の混乱を理由に侵攻から距離を置く考えを表明。「ベラルーシに当面とどまることを決めた。(ベラルーシ軍を)世界第2の軍隊に育てられると信じている」と述べ、戦闘員を軍事顧問として活用する方針を強調した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/5ee80db42053400c76192576b6bee7dbc55dcc40