鼻出しマスクで反則負け

猪瀬直樹氏「いつから日本人はこんな野暮天に…」鼻出しマスクで反則負けの将棋の対局に持論
スポニチアネックス 1/11(水) 10:34配信

 元東京都知事参議院議員猪瀬直樹氏(76)が11日までに自身のツイッターを更新。マスク着用について持論を述べた。

 猪瀬氏は、10日に行われた将棋の第81期名人戦C級1組順位戦、日浦市郎八段(56)-平藤真吾七段(59)戦で、日浦八段が鼻を出してマスクを着用していたとして、新型コロナウイルス流行を受けた臨時対局規定違反で反則負けとなった記事を引用し「おかしな規則を決めてそれに従わないなら罰する、まるで高校の校則みたいな話を大人の世界で繰り広げている。いつから日本人はこんな野暮天になってしまったのだろう」とツイートした。
(以下略)
https://news.yahoo.co.jp/articles/c6089553936b0550a663bb74fb9e2aabb092afed

 


猪瀬氏の発言についてブログに書くのは、たぶん東京都知事時代の「イスラム諸国が共有するのはアラー(神)のみで、「互いにけんかしている」という発言以来です。
https://jukeizukoubou.blog.fc2.com/blog-entry-1477.html

 

日浦八段が反則負けになった経緯自体は、主催紙の毎日新聞(1/10 20:18配信)では、
https://news.yahoo.co.jp/articles/263aaa77c12a7919451754d7960c124660691732

 

 立会人を務めた小林裕士七段によると、日浦八段は午前10時の対局開始時にマスクから鼻を出したままの状態で、対戦相手の平藤真吾七段がしっかり着用するよう求めたが応じなかった。相談を受けた小林七段が理事と協議し、再三注意したが、「着用はしているが、鼻を出してはいけないというルールはない」と拒否し続けたため、対局開始から48分後に日浦八段に反則負けの判定が下った。日浦八段は、以前からマスク着用の必要性に疑問を呈しており、判定を受け入れたうえで「分かりました。裁判します」と言い残して将棋会館を後にしたという。
(引用ここまで)

 

ということです。
佐藤天彦九段が反則負けになったA級順位戦では、マスク不着用時間が長く立会人の注意を経ずに負けとなりました(佐藤九段は、故意ではない、と主張)。
それに対し、今回は、鼻出しマスクがルール違反がどうかという論点があったので、一発レッドではなく、再三の注意にもかかわらず拒否し続けたということで反則負けとしたのでしょう。

ルールに則って行う将棋という競技を扱う、公益社団法人日本将棋連盟ですから、法人が定めたルールにより理事会等が決定したルールに従って立会人が「反則負け」を決定することは当然であり、それに対して法人内外のルール(法律を含めて)により日浦八段が争うことも認められている行為だと思います。

ちょっと疑問に感じたのは、日浦八段が以前から鼻出しマスクで対局していたか、ということぐらい。

 

さて、猪瀬氏。
「おかしな規則を決めてそれに従わないなら罰する、まるで高校の校則みたいな話を大人の世界で繰り広げている。」

 

え?
「おかしな規則」って日本将棋連盟の役員でも会員でもない猪瀬氏が判断したら、従わなくてよいのですか?
罰則規定のある規則に従わなかったら罰則の適用があるのは、法治国家などルールのある団体なら当然ではないのですか?

それから、ちょっと論点が違うけれど、高校の校則なら「おかしな規則で罰する」ということがあってもよいのですか?

 

まず、理事会等が決めたルールがおかしいというのなら、そのルールを改廃するというのが本筋でしょう。
その運用や解釈に疑義ありというのなら、法人内で解決できなければ裁判というのもあり得る話。

 

公職選挙法という国のルールに違反し、罰金刑で5年間の公民権停止になったり、大学の禁煙の教室で喫煙しながら教鞭をとって強弁したというような、ルール違反定跡が得意らしい猪瀬氏に野暮天云々といわれてもねえ。

まあ、猪瀬氏も、一応は「日本維新の会」所属の参議院議員なんだから、民間の公益法人にイチャモンつけるよりも、「鼻出しマスク×」としている首相官邸資料(https://www.kantei.go.jp/jp/content/000098368.pdf)について質問でもする方が、まだしもルールに沿った行為ではないでしょうか。