世界と日本の将棋の雑談4

前記事まで、インドのチャトランガと、それが東西に伝わっていったものと思われるゲームを見ていきましたが、
日本の将棋とは異なる点が多いような印象を受けました。

日本の将棋は、どこから伝わったのでしょうか。
やはり、中国や朝鮮半島からなのでしょうか。

現在、有力になっている考え方に、東南アジア方面から伝わったのではないか、というものがあります。
タイで行われているマークルック、これはカンボジアにも同じようなゲームがあるようで、さらにミャンマーにも(異なる点もありますが)似たものがあります。

イメージ 1

チャトランガなどと似ていますが、象の代わりに根(コン)が入り、日本将棋の銀と同じ動きをします。

将(士)に相当するであろう種(メット)は、やはり斜めに1マスずつです。

兵に相当する貝(ビア)は、日本将棋の歩と同様、自陣の三段目に並びます。
なお、通常の動きは前に1マスですが、敵駒を取るときにはチェスのように斜め前に進みます。
敵陣の三段目以内に入るとビアガーイに成ることができます。これは種と同じ動きです。
注目すべきなのは、このビアは円盤のような形で(他の駒は立体的)、ビアガーイに成ると裏返して使うようになることです。日本将棋の成り駒と似ていますね(ただし、成るのはビアだけで、他の駒は敵陣に入っても成りません)。

ということで、日本将棋から見て、このマークルックは、中国の象棋シャンチー)、朝鮮半島チャンギなどよりは共通点が多いように思います。

もちろん、異なる点も多数あります。
中でも、取った敵駒を持ち駒にして再利用できるというのは日本の将棋の最大の特徴といえますが、このようなルールは、マークルックを含めて、どの国・地域のチャトランガ系ゲームにも見られないようです。

(つづく)