インドと鈴木宗男氏の違い

林外相「世界は野蛮な力と威圧のジャングルと化す」…安保理で「法の支配」の重要性訴え
読売新聞オンライン 1/13(金) 11:59配信

【ニューヨーク=阿部真司、金子靖志】林外相は12日午前(日本時間13日未明)、国連安全保障理事会公開討論会で演説し、ロシアによるウクライナ侵略を念頭に「法の支配」の重要性を訴えた。米欧などからは賛同する声が相次いだが、ロシアや中国は反発した。討論会は、対露包囲網の強化に向け、1月の安保理議長国を務める日本が主催した。

 計77か国の代表が参加した。議長を務めた林氏は、ウクライナ侵略を踏まえ、「(法の支配がなければ)世界は野蛮な力と威圧のジャングルと化す。法の支配は、力や威圧によって国境を書き換えることを決して許さない」と強調した。「ウクライナ侵略を直接的・間接的に支援することを控えよう」とも呼びかけた。

 米国は「侵略は法的根拠がなく、国連憲章違反だ」と批判し、英国も「武力の行使といった国連憲章に従わない行為は、我々全員に対する脅威だ」と主張するなど、米欧からはロシア批判が続出した。

 ウクライナは、「ロシアの刑事責任を問う特別法廷を設置すべきだ」と各国に訴えた。

 ロシアと一定の距離を保つインドは、「紛争の平和的解決には『法の支配』の強化が重要だ」と発言した。ロシアの影響力が強いアルメニアも、「正義の実現には『法の支配』の堅持が不可欠だ」と指摘した。

 一方、ロシアは「西側諸国が『国際平和と安全に対する脅威をロシアが引き起こした』とのストーリーに仕立てたいだけだ」と激しく反発した。ロシア寄りの姿勢を保つ中国は、「国際的なルール作りは一部の国によって行われてはならない」と米欧を批判した。

 林氏は演説後、記者団に「多くの国が日本の問題提起に応じて力強い発言をした」と総括した。
https://news.yahoo.co.jp/articles/2558e113ac97f5a3a566d50e53530337f302199f

 


日本維新の会」の参議院議員である鈴木宗男氏は、「インドの立ち位置を見習うべき」という趣旨の発言が過去にあります(たとえば、同氏の2022年9月17日のブログ)。

しかしながら、モディ首相などインドの政治家は、ロシア側の主張を鵜呑みにした発言というのは見受けられないように思います。
武器・兵器の調達などロシアとの歴史的関係はあるから、国連総会の各種非難決議には棄権し、経済制裁にも参加しませんが、ロシアが正しいともウクライナにも悪いとところがあるとも、少なくとも公的な立場での発言は報道されていません。


このあたりは鈴木宗男氏とは異なります。

 

そして、「平和的解決」だけでなく、「法の支配」にも言及しています。
これは当然、武力侵略を容認しない国連憲章も含んだ概念で、だからこそ中露が反発したのでしょう。

モディ首相も、昨年9月16日に、プーチン大統領に対して「今は戦争の時代ではない」と述べ、ウクライナで続く戦乱の早期終息を促しています。
共同通信 2022/9/16(金) 23:22配信)
https://news.yahoo.co.jp/articles/cd608ac65c93abd1050ff83637de3d5b29aaf6ef

 

インドの立ち位置は、中立といえば中立的でしょう。
しかし、戦闘が長引き人道危機が長期にわたって継続している中、ロシアにとって不愉快な発言も、けっして行っていないわけではありません。
このあたりも、鈴木宗男氏とは全く異なるように思えます。

 

鈴木氏も、インドの立ち位置を見習って、せめて「ロシア発信の情報だけをもってウクライナを不当に貶めるような発言」を慎んではいかがでしょうか。
どうせ、モディ首相のようなロシア側に対する苦言は無理だと思いますので。