汚職大国

日本維新の会参議院議員鈴木宗男氏の9月5日のブログより。

********************
 ウクライナのゼレンスキー大統領は、レズニコフ国防相を更迭すると発表している。
 報道によると国防省では1月、軍の食料調達を巡り汚職疑惑が持ち上がり、国防次官が解任され、その後も別の汚職疑惑が持ち上がっていたという。
 ウクライナそのものが腐敗体質、汚職体質が指摘されており、武器の横流し問題、資金の透明化がしばしば取り沙汰されていた。
そのウクライナを支援する国は現実をどう受け止めているのか。国家のあるべき基本を国際社会がきちんと指導することが先ではないだろうか。
 ウクライナ「善」、可哀想だという前に、ウクライナがどういう国であるかをきちんと認識することが大事ではないだろうか。<引用ここまで>
********************

 

この件について、9月5日の読売新聞によると、軍の食料や制服の調達が市場価格よりもかなりの高額で行われていた疑惑の報道がウクライナメディアであり、監督責任を求める声が高まったようで、レズニコフ氏が自ら退任を申し出たといいます。
また、

 

********************
ソ連崩壊後に独立したウクライナは、ロシアと並ぶ「汚職大国」として知られる。国際NGO「トランスペアレンシー・インターナショナル」が公表した2022年汚職認識指数で、ウクライナは180か国・地域中116位にとどまる。
********************

 

とあったので、その2022年汚職認識指数を調べてみました。
https://www.globalnote.jp/post-3913.html

 

1位(良い方)はデンマーク(指数90.00)。
18位タイが日本(73.00)。
ウクライナ(33.00)は116位タイで、たしかに悪い。
でも、ロシアは137位タイ(28.00)で、ウクライナより21ランクも悪い。

 

鈴木宗男氏が大好きなロシアは、ウクライナよりもずっと汚職まみれということになりますね。

 

もっとも、この汚職指数の計算方法はわからないので、あくまで参考ぐらいにして話を進めます。
重要なのは、汚職の有無や件数もさることながら、そういう実態が公表されているか、報道等に公権力からの制約が課せられていないか、だと思います。

 

日本でも汚職事件は起こります。
田中角栄氏のように、首相経験者でも(というか、ロッキード事件の第一報ときは現職の首相だった)報道され、逮捕され、裁判にかけらえます。
田中氏よりはいささか小物ながら、閣僚経験者の鈴木宗男氏も汚職事件で捜査を受け、結局は実刑判決が確定しました。
なお、鈴木氏は、服役後に一部の事件について再審請求をしました(地裁レベルでは認められていませんが)。
こういう手続きが可能なことも、(同氏が主張するように冤罪かどうかは別にして)民主主義国では大切なことではあります。

 

さて、ウクライナは、おそらく旧ソ連の悪影響で、汚職自体は多い。
でも、それが自国メディアによって報道され、監督責任を問われた閣僚等が更迭(または辞任)させられた。
これは、権力によりもみ消されそうなロシアよりもはっきり上でしょう。

 

そして、冒頭の鈴木宗男氏の問い掛け
ウクライナ「善」、可哀想だという前に、ウクライナがどういう国であるかをきちんと認識することが大事ではないだろうか。>
に答えるとすれば、

 

********************
旧ソ連の支配から脱して、いまだに汚職はあるが、汚職のように政権に不都合な案件でも報道されているし、功績のある国防相でも監督責任を問われて更迭されるというところまできている。
ここで汚職大国ロシアに屈して、直接的にでも間接的にでもロシア側の支配に甘んじるようになれば、ウクライナ汚職大国に逆戻りしてしまう。
その観点からも、ウクライナを支援すべきである。
********************

 

というのが民主主義国としての考え方になるだろうと思います。