日本人と球技、またはチーム競技

車いす系のパラ球技」という記事で、「パラスポーツに限らず、日本人の場合、球技に人気が集まる傾向がある」という意味のことを書きました。

https://jukeizukoubou.hatenablog.com/entry/2021/09/14/215834

 

統計的な確認まではしていませんが、球技に人気が集まる傾向があるとしたら、その理由は3点ぐらい思いつきます。

 

1)露出が多い

 

選手のユニフォームの布地面積が小さい、という意味ではありません。
テレビ映像などで流れる時間(または回数)の多さです。

五輪競泳女子の個人メドレーで二冠を獲得した大橋選手、パラリンピック自転車女子の個人ロード競技で二冠を獲得した杉浦選手。どちらも凄いことで、個人的に殊勲賞としましたが、一日か、せいぜい二日でメダルが決定する種目です。

一方、球技の場合、予選リーグから決勝トーナメントまで多数の試合があり、テレビ放送も複数日にわたるのが一般的です。予選リーグがなく、いきなりトーナメント戦になる場合でも、準決勝まで進出すれば、決勝戦か三位決勝戦も含めて、多くのゲームが放送されます。それも、一瞬では勝負はつかず、相当な時間を要するものが少なくありません。
冬季五輪のカーリングは、厳密には球技のカテゴリーには入らないでしょうが、選手の映像露出がきわめて多い競技です。ひとりにつき1エンドに2回ストーンを投げるので、10エンドまでで20回は顔の表情などがはっきりわかる形でテレビ画面を独占します。
これが、ちょっと美人だったりイケメンだったりした日には、人気が出て当然だわ(もちろん、競技としてのおもしろさも大事ですが)。

 

2)日本人が勝ちやすい

 

球技だから日本人が勝ちやすい、というわけではないのでしょうが、体格差(身長など)や筋力差(特に陸上100m走のような瞬発力)が決定的な意味を持ちにくい、という点で、日本選手にも勝ち目はある、といえるでしょう。
それでもバスケットボールなどは身長差(手の長さを含む)のウェートがかなり大きいのは事実でしょうが、それを克服したのが、五輪女子バスケットの町田選手や、パラリンピック男子バスケットの鳥海選手に象徴されるプレーではなかったかと思います。

 

3)そもそも団体競技が好き

 

球技は団体競技ばかりではなく、個人競技はありますが(テニスや卓球などのシングルス)、バスケットボール、バレーボール、野球、ソフトボールラグビーなどチーム競技の方が「盛り上がる」傾向があるように思います。
これは2にも関連があるかもしれませんが、個人の力で劣っていても、チームの連携で優位に立てる、という競技は、日本人向きなのかもしれません。
モンスーンアジアで、多くの人々が協力しながら水田耕作を続けてきた、という歴史が、ひょっとしたら関係しているかもしれません。

その代わり、多数意見、有力そうな意見と異なる個人がいても反対意見を表明しにくい、同調圧力的な風潮も、そういう歴史の産物なのかもしれませんが、そのことについては、また別の機会にでも考えてみたいと思います。