介護報酬パブコメ結果詳細1

報酬全般

介護事業者の厳しい経営状況や介護人材の不足等を踏まえ、介護報酬の大幅な引上げが必要。また、加算の新設・変更ではなく基本報酬の引上げで対応すべき。

人件費の勘案を含め基本報酬はどのように決めているのか。基本報酬及び加算の点数の内訳を示してほしい。

 介護報酬は、人件費等も含めた各サービスの提供に要する平均的な費用の額を勘案して定めており、基本報酬で基本的なサービス提供に係る費用を評価し、加算で介護事業者のサービス提供体制や利用者の状況等に応じて評価しています。
 令和3年度改定の改定率は、介護職員の人材確保・処遇改善にも配慮しつつ、物価動向による物件費への影響など介護事業所の経営を巡る状況等を踏まえ、+0.70%となったところです。これを踏まえ、原則全てのサービスの基本報酬を引き上げるとともに、全てのサービスについて、令和3年4月から9月末までの間、基本報酬に0.1%上乗せすることとしています。


人件費比率を地域区分に反映しているが、直接処遇職員の人件費比率のみを適用するのはおかしいのではないか。

 利用者にサービス提供を行う従業者の賃金は地域により差があり、その地域差を介護報酬に反映するため、サービスや地域毎に1単位の単価を設定しているところです。
 この地域差を勘案する職員の範囲は、人員配置基準で1名以上又は常勤換算での配置を規定している職員(医師を除く。)としているところです。


報酬の引上げにより利用者負担が増えると、費用負担が困難な高齢者の利用制限につながるので、負担増にならないようにすべき。

 介護報酬の改定に当たっては、予算編成過程において、介護事業所の経営状況等、介護サービスが安定的に提供される必要性、国民負担や介護保険財政に与える影響等を勘案し、決定したものです。
 引き続き介護が必要な方に必要なサービスが提供できるようにしていきます。


行政への届出が必要な加算と不要な加算があるが、どのように区分けしているのか。負担軽減の観点から届出不要の加算を増やしてほしい。

 届出については、加算を算定する上で人員や設備等の一定の要件を満たす必要があるものについて、事前に自治体の審査を行うため、要件として求めているところです。


介護現場に混乱をもたらさないよう、告示等を速やかに発出し、十分な周知期間を設けるべき。算定要件が分からない加算も多く、早くQA等を出してほしい。

 令和3年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等については、3月15日に公布しました。報酬に関する留意事項通知等も追って発出する予定です。


サービス別基本報酬

居宅療養管理指導について、歯科医師及び歯科衛生士の単位数が増えたことは評価できる。
一方で、単一建物居住者に対する報酬格差をなくしてほしい。また、単一建物の考え方が医療保険の同一建物と異なり、また算定単位数が月末でないと確定できないため変動が激しい月に現場で混乱が生じている。算定方法を医療保険等同様「同一建物」に統一してほしい。

 居宅療養管理指導における同一敷地内建物等に対するサービス提供に係る減算については、地域の要介護高齢者を訪問する場合と比べ移動等のコストが軽減され、効率的なサービス提供が可能であることを踏まえたものであり、平成30年度改定においては、医療保険介護保険との整合性の観点から、単一建物に居住する人数に応じた評価を行うこととしたところです。
 今回改定においては、同評価体系は維持しつつ、サービス提供の状況等を勘案し、より実態を踏まえた評価とすることとしております。


全国の約40%の事業所が赤字である小規模多機能型居宅介護について、安定した経営が可能な基本報酬、要介護1・2の方の受け入れを適切に行える報酬体系にしてほしい。

 令和3年度介護報酬改定では、小規模多機能型居宅介護を含めて、
・全てのサービスの基本報酬を引き上げるとともに、
・全てのサービスについて、令和3年4月から9月末の間、基本報酬に0.1%上乗せすることにしています。
 なお、小規模多機能型居宅介護は実利用者数が多くなるほど、収支差率が高い傾向になっており、利用者の確保が重要と考えています。


今でさえケアマネジャーはなり手不足で、閉鎖の事業所が相次いでいる地域も少なくないなか、居宅介護支援でも予防でも、そもそものケアマネにかかる業務負担を減らし、十分な報酬を設定しないと、ケアマネジャーの担い手がいなくなると思う。ケアマネ事業所単独で安定した運営ができる報酬になっていない。

 令和3年度介護報酬改定では、
・サービス担当者会議を含む各種会議についてテレビ電話等を活用しての実施や、ケアプラン等における利用者等への説明・同意について電磁的記録による対応を可能するとともに、
・居宅介護支援の基本報酬の引き上げや、特定事業所加算の拡充等を行うこととしております。

 

(つづく)