介護報酬パブコメ結果3

区分支給限度基準額


要介護者の区分支給限度基準額を引き上げるべきではないか。

○ 制度創設時の区分支給限度基準額の水準は、高齢者の生活全般を支えるため各サービスが総合的に提供されるように、要介護度ごとに認知症型・医療型などいくつかのタイプ(典型的ケース)を想定した上で、それぞれのタイプごとに設定された標準的に必要と考えられるサービスの組合せ利用例のうち、最も高い水準で設定したことから、現況においても、1人当たり平均費用額が限度額に占める割合は4~6割程度、限度額を超えている者も3%程度となっており、今回の介護報酬改定において見直す必要はないと考えています。

○ 他方、現行の区分支給限度基準額の水準では、包括報酬サービス(定期巡回・随時対応サービス、複合型サービス、小規模多機能型居宅介護)が使いにくいという課題が生じていることを踏まえ、新設の加算や既存の加算の一部を限度額に含まれない費用とする等、必要な見直しを行っております。


訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションは、医学的な必要性から提供されるサービスであることから、区分支給限度基準額の対象からは外すべきではないか。

○ 訪問看護、訪問リハビリテーション、通所リハビリテーションは医師の指示等に基づき提供されるものですが、あくまでも介護サービスの一環として提供されるものであり、制度創設時の区分支給限度基準額の水準は、医療型の典型的ケースも想定した上で設定していることから、区分支給限度基準額の対象からは外す必要はないと考えています。

○ なお、訪問看護については、サービスの特性等を踏まえ、政策上の配慮から限度額の対象外とされる加算を設定しております。



訪問看護の看護体制強化加算について、特別管理加算の取得状況を勘案する等、診療報酬との整合性がないように思われるが、どのような考え方に基づいているのか。

○ 看護体制強化加算については、平成26年度診療報酬改定の動向も踏まえつつ、介護サービスの一環として提供される訪問看護の提供実態を勘案しながら、医療ニーズに対応するための体制が強化されており、介護サービスとして質の高い訪問看護が提供される体制にあることを介護報酬で評価するために創設したものです。


新設される看護体制強化加算について、特別管理加算の算定者割合の要件は厳しい。この加算は軽度で訪問看護を希望する利用者への配慮が不十分で、認知症対応や重症化予防の観点での評価がない。

○ 平成27年度介護報酬改定により新設する看護体制強化加算は、在宅における中重度の要介護者の療養生活に伴う医療ニーズへの対応を強化する観点から、特別管理加算、緊急時訪問看護加算、ターミナルケア加算のいずれについても一定以上の実績等がある事業所について評価するものです。


基本報酬を引き下げたことによる減収が見込まれる。事業所の経営が成り立たなくなり、訪問看護師の労働環境が悪化することが懸念される。訪問看護事業所がますます増えていかず、地域包括ケアの実現に逆行するのではないか。患者をどんどん在宅でみていくようにするなら、患者も看護する側も安心して生活できるような制度にしてほしい。

○ 平成27年度介護報酬改定は、被保険者や利用者の負担軽減を図り、介護保険制度の持続可能性を確保する観点から、介護事業の経営の実態を踏まえた適正化等を行っていますが、全体としては、今回の改定後も安定的な経営に必要な収支差が残るような改定率となっています。

○ また、今後の高齢化の進展を見据えた地域包括ケアシステムの構築に向けて、訪問看護においては、看護体制強化加算を創設する等、中重度の要介護者にサービスを提供した場合について、きめ細かく評価するための加算の創設しています。


訪問看護ステーションからのリハビリテーションについて、訪問リハビリテーションとの整合性を合わせるという意見には賛成であるが、具体的な加算や減算では整合性がとれていない。同じ資格を持つ者が施術するのに報酬の差があるのはおかしい。

○ 理学療法士作業療法士言語聴覚士が行った訪問看護と訪問リハビリテーションの提供実態を比較したところ、各々のサービスの利用者の年齢や性別、要介護度、プログラム等といった基本的な内容に関して類似する点があることであることから、平成27年度介護報酬改定においては、基本サービス費の整合性を図ることとしました。
 また、加算や減算については、各々のサービスの特性や今後のあり方を踏まえ、検討すべきものであり、必ずしも合致する必要はないものと考えます。


訪問看護等において、事業所と同一建物、同一敷地内、隣接する敷地内の建物(養護老人ホーム軽費老人ホーム、有料老人ホーム、サービス付高齢者向け住宅に限る)に居住する利用者へ訪問系サービスを行った場合は、居住する人数にかかわらず、たとえ1人のみを訪問した場合であっても減算する扱いは不合理である。

○ 利用者が訪問系サービス事業所と同一建物に居住する場合は、移動等の労力が軽減されることから、従前より減算を行っていたところです。今般、実態調査により、事業所と同一建物以外の集合住宅に居住する利用者も移動等の労力が軽減されることが明らかになったことから、社会保障審議会介護給付費分科会での議論を経て、同様の減算を新設することとなりました。


まだまだ続きますが、今夜はここまで。