介護保険最新情報Vol.1009(2)

 ○ まず、市町村は、上記の要件が設定された帳票(※)を、国民健康保険団体連合会より受領してください。
 (※)支給限度額一定割合超支援事業所における対象サービス利用者一覧表(総括表・明細表)【別添1・2】。帳票の送付や内容の詳細については、「2.国民健康保険団体連合会システムを活用した居宅介護支援事業所・ケアプランの抽出」参照。

 ○ 次に、市町村は、受領した帳票を活用し、要件[1]及び[2]に該当する居宅介護支援事業所のケアプランのうち、個々に見て上記の要件[1]及び[2]に該当するケアプランについて、
  ・最も訪問介護サービスの利用割合が高いものなど(※1)で、介護度別に1件ずつ以上を指定し(※2)、
  ・当該ケアプランの第1表(居宅サービス計画書(1):基本的な事項)、第2表(居宅サービス計画書(2):長期目標・短期目標、サービス内容等)及び第3表(週間サービス計画表)の届出を依頼(※3)します。
  (※1)市町村において一定の考え方のもとで、指定いただいて差し支えない。
  (※2)指定の際の留意点
   ・特定の介護度に該当する利用者がいない場合は、その介護度は届出不要。必要があれば、他の介護度で2件以上の届出を依頼。
   ・すでに、生活援助の訪問回数の多い利用者のケアプラン検証の対象となっているケアプランは届出の対象外。
   ・他市町村の住民である利用者のケアプランは届出の対象外。(市町村が必要に応じて、当該市町村と連携)
  (※3)必要に応じてアセスメントシートの届出も依頼。

 ○ 市町村からの届出の依頼を受けた居宅介護支援事業所は、指定されたケアプランについて、当該ケアプランの利用の妥当性を検討し、当該ケアプランに訪問介護が必要な理由等を記載し、当該ケアプランを市町村に届け出る必要があります。
  なお、理由等については、「『介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について』の一部改正について」(令和3年3月31日厚生労働省老健認知症施策・地域介護推進課長通知)でお示ししているとおり、ケアプラン第2票(居宅サービス計画書(2))の「サービス内容」に記載しても差し支えありません。
 (※1)「『介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について』の一部改正について」(令和3年3月31日厚生労働省老健認知症施策・地域介護推進課長通知)
   https://www.mhlw.go.jp/content/000764679.pdf
 (※2)災害や新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に他のサービスから訪問介護に切り替わったために要件[1]及び[2]に該当するケアプランがある場合は、その旨も記載。

 ○ 届出を受けた市町村は、順次、地域ケア会議等(※1)を活用して、多職種の視点から、届出のあったケアプランについて議論を行うことになります。
  多職種による議論は、「多職種による自立に向けたケアプランに係る議論の手引き~地域ケア個別会議等を活用したケアマネジメントの支援のために~」(平成30年度厚生労働省老人保健健康増進等事業(地域ケア会議等におけるケアプラン検証の在り方に関する調査研究事業(実施団体:エム・アール・アイリサーチアソシエイツ株式会社)))(※2)を参照してください。
 (※1)検証の方法としては、地域ケア会議のみならず、当該市町村の職員やリハビリテーション専門職を派遣する形で行う会議(サービス担当者会議の前後で行う会議を含む)等での対応も可能。
 (※2)「多職種による自立に向けたケアプランに係る議論の手引き~地域ケア個別会議等を活用したケアマネジメントの支援のために~」(平成30年度厚生労働省老人保健健康増進等事業)
   https://www.mri-ra.co.jp/pdf/h30_chiikicare_tebiki.pdf
 (※3)災害や新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に他のサービスから訪問介護に切り替わったために要件[1]及び[2]に該当するケアプランがある場合は、地域ケア会議等の検証の対象としない等、柔軟な対応を採る必要がある。

 ○ 地域ケア会議等での多職種の議論において届出のあったケアプランについて見直しが必要であるとされた場合、居宅介護支援事業所は、地域ケア会議等での検証結果を踏まえ、検証対象のケアプランについて再検討を行うとともに、事業所内において同様・類似の内容で作成しているケアプランの内容についても再検討を行います。
  なお、検証対象のケアプラン及び同様・類似の内容のケアプランについて再検討とそれに基づく見直しが行われない場合は、それらのケアプランは、引き続き、地域ケア会議等での検証の対象となり得ます。

 ○ なお、この検証の仕組みは、サービスの利用制限を目的とするものではなく、より利用者の意向や状態に合った訪問介護の提供につなげることのできるケアプランの作成に資することを目的としたものです。ケアプランを変更するためには、利用者の同意を得る必要があり、ケアプランの変更を強制することはできないため、介護支援専門員や市町村は本人に十分説明をする必要があります。

 

(つづく)