香港の英中共同宣言3

中英間で取り交わされる覚書

 

覚書(イギリス側)

 本日調印されるグレートブリテン北アイルランド連合王国政府と中華人民共和国政府の香港問題に関する共同声明に関連して、連合王国政府は次の通り声明する。連合王国の関連法規について必要な修正が完了することを前提として、

一、連合王国の施行する法律にもとづき、1997年6月30日に香港との関係から英国属領公民である者はすべて1997年7月1日以降は英国属領公民ではなくなるが、なんらかのしかるべき地位を留保する資格を持ち、連合王国政府の発行したパスポートを引き続き使用することができる。しかし、連合王国の居留権は与えられない。その地位を取得する者は、1997年7月1日以前に発行されたこの種の英国パスポートを所持するか、またはこの種のパスポートに記載された者に限られる。ただし、1997年1月1日もしくは同日以後、1997年7月1日以前に出生した有資格者は、1997年12月31日を限度として、この種のパスポートを取得するか、もしくはこの種のパスポートに記載することができる。

二、1997年7月1日もしくは同日以降は、いかなる者も香港との関係から英国属領公民の地位を取得することはできない。1997年7月1日もしくは同日以降に出生した者はすべて、第一項に述べた、しかるべき地位を取得することができない。

三、香港特別行政区および他地域の連合王国領事館官吏は、第一項に述べた者の所持するパスポートの期限延長あるいは更新、および1997年7月1日以前に出生し、両親のパスポートに以前から記載されている者にパスポートを発行することができる。

四、第一項および第三項にもとづいて連合王国政府の発行したパスポートを所持する者またはそのパスポートに記載されている者は、請求すれば第三国における英国の領事事務および保護を受けることができる。

 

覚書(中国側)

 中華人民共和国政府は1984年12月19日付けのグレートブリテン北アイルランド連合王国政府の覚書を受けとった。

 中華人民共和国国籍法により、香港の中国同胞は「英国属領公民パスポート」の所持のいかんを問わず、すべて中国の公民である。

 中華人民共和国政府の主管部門は、香港の歴史的背景と現状を考慮し、「英国属領公民」と称されてきた香港の中国公民が連合王国政府の発行した旅行証によって他の国、地域に旅行することを1997年7月1日から認める。

 前記の中国公民は香港特別行政区および中華人民共和国のその他の地域において、前記旅行証の所持を理由に英国の領事保護を受ける権利を享受することはできない。

 

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