介護保険最新情報Vol.881(7)

社会福祉施設等(居宅を訪問して行うサービス)における感染防止に向けた対応について

 

1.感染防止に向けた取組
 感染防止に向けた取組を徹底する観点からは、日頃から以下のような感染防止に向けた取組を行うこと重要である。

(1)施設等における取組

(感染対策の再徹底)
○ 社会福祉施設等における感染拡大防止に向けた取組方針の再検討や感染拡大防止に向けた取組の再徹底を行うこと。
○ 感染防止に向け、職員間での情報共有を密にし、感染防止に向けた取組を職員が連携し取組を進めること。
○ 感染者が発生した場合に積極的疫学調査への円滑な協力が可能となるよう、利用者のケア記録(体温、症状等がわかるもの)、直近2週間の勤務表等の記録を準備しておくこと。
○ 入国拒否の対象地域から帰国後症状がある職員等がいる場合、施設長は、すみやかに市区町村に対して、人数、症状、対応状況等を報告するとともに、発熱等の症状により感染が疑われる職員等がいる場合は、保健所に報告して指示を求めること。また、最新情報を収集し、職員等に情報提供すること。
{○ 厚生労働省で開発を進め令和2年6月19日付でリリースされた「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA:COVID-19 Contact-Confirming Application)」について、本アプリは利用者が増えることで感染防止の効果が高くなることが期待されており、下記URLに掲載されている資料も参考にしつつ、本アプリの活用について、職員に周知を行うこと。
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/cocoa_00138.html }

 

{(外出)
○ 訪問介護については、
 ・「訪問介護におけるサービス行為ごとの区分等について」(平成12年3月17日付老計第10号)において、通院・外出介助・「適切な訪問介護サービス等の提供について」(平成21年7月24日付厚生労働省老健局振興課事務連絡)において、訪問介護員等の散歩の同行が訪問介護費の支給対象となりうる旨お示ししているところ。
○ 基本的対処方針三(3)1)[1]において、外出の自粛が促される状況であっても、屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものについては外出の自粛要請の対象外とされていることから、訪問介護等における利用者の通院・外出介助や屋外の散歩の同行について制限する必要はないが、「三つの密」を徹底的に避けるとともに、「人と人との距離の確保」「マスクの着用」「手洗いなどの手指衛生」等の基本的な感染対策を徹底し、自らの手で目、鼻、口を触らないように留意すること。
○ 感染が流行している地域では、人との接触機会の低減の観点から、外出を制限する等の対応を検討すべきである。}

(2)職員の取組

感染症対策の再徹底)
○ 職員、利用者のみならず、委託業者等、職員などと接触する可能性があると考えられる者含めて、マスクの着用を含む咳エチケットや手洗い、アルコール消毒等により、感染経路を断つことが重要であり、「高齢者介護施設における感染対策マニュアル改訂版」{、「介護現場における感染対策の手引き」}等を参照の上、対策を徹底すること。
○ 職員は、各自出勤前に体温を計測し、発熱等の症状が認められる場合には出勤を行わないことを徹底すること。なお、過去に発熱が認められた場合にあっては、解熱後24時間以上が経過し、咳などの呼吸器症状が改善傾向となるまでは同様の取扱いとする。なお、このような状況が解消した場合であっても、引き続き当該職員の健康状態に留意すること。
該当する職員については、管理者等に報告し、確実な把握を行うよう努めること。
 ここでいう職員とは、利用者に直接介護サービスや障害福祉サービス等を提供する職員だけでなく、事務職や送迎を行う職員等、当該事業所のすべての職員やボランティア等含むものとする。
○ 発熱や呼吸器症状等により感染が疑われる職員等については、「「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」{の改訂}について」(令和2年{5月11日}厚生労働省子ども家庭局総務課少子総合対策室ほか連名事務連絡)を踏まえて適切に対応すること。
○ 職場はもとより、職場外でも感染拡大を防ぐための取組を進めることが重要であり、換気が悪く、人が密に集まって過ごすような空間に集団で集まることを避ける等の対応を徹底すること。
○ 職員が感染源となることのないよう、症状がない場合であっても利用者と接する際にはマスクを着用すること。

(3)ケア等の実施に当たっての取組

(基本的な事項)
○ サービスを提供する際は、その提供に先立ち、利用者本人・家族又は職員が本人の体温を計測し(可能な限り事前に計測を依頼することが望ましい)、発熱が認められる場合には、「「新型コロナウイルス感染症についての相談・受診の目安」{の改訂}について」(令和2年{5月11日}厚生労働省子ども家庭局総務課少子化総合対策室ほか連名事務連絡)を踏まえた適切な相談及び受診を行うよう促すとともに、サービス提供に当たっては以下の点に留意すること。
 ・サービスを行う事業者等は、保健所とよく相談した上で、居宅介護支援事業所等と連携し、サービスの必要性を再度検討の上、感染防止策を徹底させてサービスの提供を継続すること。
 ・サービスを提供する者のうち、基礎疾患を有する者及び妊婦等は、感染した際に重篤化するおそれが高いため、勤務上の配慮を行うこと。
 ・サービスの提供に当たっては、サービス提供前後における手洗い、マスクの着用、エプロンの着用、必要時の手袋の着用、咳エチケットの徹底を行うと同時に、事業所内でもマスクを着用する等、感染機会を減らすための工夫を行うこと。
 ・可能な限り担当職員を分けての対応や、最後に訪問する等の対応を行うこと。

 

(つづく)