介護保険最新情報Vol.881(6)

2.新型コロナウイルス感染症に感染した者が発生した場合の取組
 社会福祉施設等の利用者等(当該施設等の利用者及び職員等をいう。)に新型コロナウイルス感染症に感染した者が発生した場合には、感染拡大防止の観点から、以下の取組を徹底する。
 なお、特段の記載(【 】の中で記載しているもの。)がない限り、新型コロナウイルス感染が疑われる者※が発生した場合も同様の取扱いとする。その際、以下の記載のうち「濃厚接触者」は「感染が疑われる者との濃厚接触が疑われる者」と読み替えるものとする。
※「新型コロナウイルス感染が疑われる者」:
 社会福祉施設等の利用者等であって、{息苦しさ(呼吸困難)、強いだるさ(倦怠感)、高熱等の強い症状のいずれかがある者、発熱や咳など比較的軽い風邪の症状等が続く者(高齢者・基礎疾患がある者・妊婦である利用者等については発熱や咳などの比較的軽い風邪の症状等がある者})、医師が総合的に判断した結果、新型コロナウイルス感染症を疑う者であって、PCR陽性等診断が確定するまでの間の者。

(1)情報共有・報告等の実施

○ 利用者等において、新型コロナウイルス感染者が発生した場合、当該事業所等は、速やかに管理者等への報告を行い、当該事業所内での情報共有を行うとともに、指定権者(障害福祉サービス等にあっては、当該利用者の支給決定を行う市町村を含む。以下同様。)への報告を行うこと。また、当該利用者の家族等に報告を行うこと。
○ また、当該利用者の主治医及び担当の居宅介護支援事業所等に報告を行うこと。
 【新型コロナウイルス感染が疑われる者が発生した場合は、{主治医や地域で身近な医療機関、受診・相談センター等}に電話連絡し、指示を受けること。速やかに管理者等への報告を行い、当該施設内での情報共有を行うとともに、指定権者への報告を行うこと。また、当該利用者の家族等に報告を行うこと。】

(2) 消毒・清掃等の実施

○ 新型コロナウイルス感染者の居室及び当該利用者が利用した共用スペースについては、消毒・清掃を実施する。具体的には、手袋を着用し、消毒用エタノールで清拭する。または、次亜塩素酸ナトリウム液で清拭後、湿式清掃し、乾燥させる。なお、次亜塩素酸ナトリウム液を含む消毒薬の噴霧については、吸引すると有害であり、効果が不確実であることから行わないこと。トイレのドアノブや取手等は、消毒用エタノールで清拭する。または、次亜塩素酸ナトリウム液(0.05%)で清拭後、水拭きし、乾燥させる。保健所の指示がある場合は、その指示に従うこと。

(3)積極的疫学調査への協力

○ 感染者が発生した場合は、保健所の指示に従い、濃厚接触者となる利用者等の特定に協力すること。その際、可能な限り利用者のケア記録の提供等を行うこと。
 【新型コロナウイルス感染が疑われる者が発生した場合は、当該施設等に
おいて、感染が疑われる者との濃厚接触が疑われる利用者等を特定すること。濃厚接触が疑われる者については、以下を参考に特定すること。
 ・新型コロナウイルス感染が疑われる者と同室または長時間の接触があった者
 ・適切な感染の防護無しに新型コロナウイルス感染が疑われる者を診察、看護若しくは介護していた者
 ・新型コロナウイルス感染が疑われる者の気道分泌液若しくは体液、排泄物等の汚染物質に直接触れた可能性が高い者
 {・手で触れることの出来る距離(目安として1メートル)で、必要な感染予防策なしで、新型コロナウイルス感染が疑われる者と15分以上の接触があった者}
 特定した利用者については、居宅介護支援事業所等に報告を行うこと。】

(4)新型コロナウイルス感染症の感染者への適切な対応の実施

○ 感染者については、以下の対応を行う。
 ア 職員の場合の対応
  職員の感染が判明した場合、原則入院することとなるが、症状等によっては自治体の判断に従うこととなること。
  【感染が疑われる職員については、{主治医や地域で身近な医療機関、受診・相談センター等}に電話連絡し、指示を受けること。ただし、濃厚接触者であって感染が疑われる場合は、積極的疫学調査を実施している保健所に相談すること。】
 イ 利用者の場合の対応
  利用者に新型コロナウイルス感染症の感染が判明した場合は、原則入院することとなること。
  【感染が疑われる利用者については、{主治医や地域で身近な医療機関、受診・相談センター等}に電話連絡し、指示を受けること。ただし、濃厚接触者であって感染が疑われる場合は、積極的疫学調査を実施している保健所に相談すること。】

(5)新型コロナウイルス感染症の濃厚接触者への適切な対応の実施

○ 濃厚接触者については、保健所と相談の上、以下の対応を行う。
 ア 職員の場合の対応
  保健所により濃厚接触者とされた職員については、自宅待機を行い、保健所の指示に従う。職場復帰時期については、発熱等の症状の有無等も踏まえ、保健所の指示に従う。
  【なお、濃厚接触が疑われる段階においては、発熱等の症状がある場合は、自宅待機を行い、保健所の指示に従う。また、発熱等の症状がない場合は、保健所と相談の上、疑われる職員数等の状況も踏まえ対応する。】
 イ 利用者の場合の対応
  保健所により濃厚接触者とされた利用者については、以下の対応を行う。
  ・自宅待機を行い、保健所の指示に従う。居宅介護支援事業所等は、保健所と相談し、生活に必要なサービスを確保する。
  ・なお、短期入所利用者においては、必要に応じ、入所施設・居住系サービスと同様の対応を行うこと。

 

(つづく)